プーチン氏異例映像群衆とハグ狙いはプリゴジンの乱軍で粛清か(2023年6月29日)

プーチン氏異例映像群衆とハグ狙いはプリゴジンの乱軍で粛清か(2023年6月29日)

プーチン氏“異例映像”群衆とハグ 狙いは?“プリゴジンの乱”軍で粛清か(2023年6月29日)

 ロシア大統領府が新たに公開した映像では、普段はテロを厳重警戒して人を近付けることが珍しいプーチン大統領が握手や写真撮影に応じています。“プリゴジンの乱”の後に公開された映像には、どんな狙いがあるのでしょうか。

■プリゴジンの乱で異変? 新映像

 先日の演説では激しい怒りを表情ににじませていましたが、28日にロシア大統領府が公開した映像で映し出されていたのは群衆の熱烈な歓迎を受け、それに快く応える姿です。

 ロシア大統領府によりますと、イスラム教のお祭りに合わせ、ロシア南部のダゲスタン共和国を訪れたといいます。

 プーチン大統領といえば安全のためか、感染対策のためか、人を寄せ付けないような巨大なテーブルを使うことでも知られています。

 去年のトルクメニスタン訪問の公式写真では、ほとんどその姿が見えないほどです。今月28日の映像では…。

 女性:「ママ、写真を撮って!お願いだから、写真を撮らせて!」

■群衆とハグ 「ちょっとおかしい」

 特派員:「本当にこれがプーチンなら民衆の支持を見せたいのだと思う。とても驚きました。この数カ月の映像ではプーチンは他人からの感染を避けるため、とても長いテーブルの端にいたからです。それが突然、群衆とハグしたり、キスしたり、握手したり、ちょっとおかしいです」

 その場にいた人が撮った映像には、顔を寄せ合って自撮りに応じる様子も収められていました。

 独自の部隊を持ち、プーチン大統領に忠誠を誓うチェチェン共和国のカディロフ首長も少し不自然にも見えますが、2ショット写真をSNSに投稿しています。この1週間、揺れに揺れているロシア。

■“異例映像” プーチン氏の狙いは?

 映像を出した意図について専門家は…。

 慶応義塾大学 総合政策学部・廣瀬陽子教授:「今回のことはロシア国民にも大きな衝撃があったものとして、いかに現状がすでに収束されて政府も自分も正常運転でやっていると早期にアピールしたかった」

 プーチン大統領の子飼いともいえるプリゴジン氏が反乱を起こしたのは23日。24日には撤退しましたが、直接的に解決したのはロシアではなく、隣国のベラルーシのルカシェンコ大統領です。今回、プーチン大統領がダゲスタン共和国で触れ合ったのは地元の市民なのでしょうか。

■群衆「集められた可能性高い」

 慶応義塾大学 総合政策学部・廣瀬陽子教授:「それも謎ですね。今回の戦争は主に、とにかく地方からより少数民族から人を集めている。そのなかで死亡率が一番高いのがダゲスタン。プーチンに恨みを持っている人も多い。(観衆として)集められた人というのは、もはや定番になっていて、(今回も)集められた人の可能性は高いと思っています」

 反乱を巡り、ロシア軍内部での粛清が始まっている可能性もあります。

■“プリゴジンの乱” 軍で粛清か

 ロシア軍内部での粛清が始まったのでしょうか。セルゲイ・スロビキン上級大将。拘束されたとの報道が出ています。ロシア紙モスクワ・タイムズが28日、国防省に近い情報筋の話として伝えました。

 モスクワ・タイムズ(28日):「プリゴジン氏に関連するものだ。彼はプリゴジン氏を選んだ。もう抵抗できない」

 スロビキン大将はハルマゲドン将軍とも呼ばれる強硬派。一時期はウクライナ侵攻の総司令官を担い、ショイグ国防相らを激しく批判してきたプリゴジン氏もたびたび支持を表明してきました。

 プリゴジン氏(5月7日公開):「スロビキンこそワグネルと国防省との連携で決定を下す人物だったはずだ。ロシア軍の高官で唯一、戦い方を知っている男だ」

 ロイター通信は複数のアメリカ政府当局者の話として、スロビキン大将が支援をしたかは分からないもののプリゴジン氏の反乱計画に賛同していたと伝えています。

 ニューヨーク・タイムズも27日、アメリカ政府高官の話としてスロビキン大将が事前に計画を知っていたと報じています。

 ロシア大統領府のペスコフ報道官は…。

 ロシア大統領府・ペスコフ報道官:「この出来事に関しては様々な憶測やうわさ話が飛び交うでしょう。これらは、その一例にすぎないと思います」

 スロビキン大将が拘束されたという情報はロシアが公式に発表したものではありません。

 慶応義塾大学 総合政策学部・廣瀬陽子教授:「逮捕自体は恐らく本当なんだと思う。罪が断定的になっている状態で逮捕されたのか、ちょっと怪しいのでとりあえず拘束をして話を聞くということなのか、その辺はまだはっきりしない」

 プリゴジン氏がロシア軍の首脳を拘束しようと計画していたとの報道も出ています。ウォールストリート・ジャーナルが西側当局者の話として伝えました。

 プリゴジン氏はショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長の2人がウクライナ国境付近を視察する際に拘束しようとしていたものの、実行2日前にFSB(ロシア連邦保安庁)が察知。

 情報漏洩(ろうえい)に気付いたプリゴジン氏が予定より早く反乱を起こしたとしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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