出産時のトラブルで重い脳性まひ 補償対象外の子どもに平等な補償求め、1万8000人分の署名提出
出産時のトラブルで重い脳性まひになった子どもへの補償制度を巡り、補償の対象外となっていた子どもと親が救済措置を求め、国会議員に申し入れしました。
東京・永田町で28日、1万8000人あまりの署名を手渡したのは重い脳性まひの子どもと親たち。
出産時のトラブルで重い脳性まひになった子どもに補償金を支払う「産科医療補償制度」。その補償の対象外になった子どもへの救済措置を求めてきました。
2009年に始まったこの制度は、出産時に重い脳性まひになった子どもを対象に3000万円を補償する制度です。妊娠28週から31週までの早産などの場合には、出産時のトラブル以外でも脳性まひになる可能性があるとして、2021年12月まで個別の審査が課され、脳の低酸素状態などの基準を満たす必要がありました。
しかし、医学的な合理性が乏しいとして去年1月、基準が見直され、個別の審査は撤廃。28週以降に生まれた子どもは原則、補償の対象になりました。ただ、基準が緩和される前に補償の対象外となり制度のはざまにいる子どもが少なくとも600人いるのです。
妊娠31週の早産で生まれたみつるくんもその1人です。思うように手足を動かせないため、家族の介助が欠かせません。食事をする時は椅子に乗せてもらい、専用のはしで食事をします。
リハビリは1回1万5千円。自費で賄い、経済的な負担が重くのしかかります。
母・ちえさん「(救済措置があれば)生活環境をもっと快適に整えることができますので。今は最低限のことしかさせてあげられていないので」
親たちが声をあげ始めて2年。自民党は28日、補償の対象外だった子どもなどに、1人につき1200万円の特別給付金を支給する案をまとめました。給付の開始時期は令和7年(2025年)1月ごろを目途に、給付額は満額の4割にとどまりました。
田上記者
「会見で親たちは、前進したことに感謝の重いを抱いているとしながらも、給付金が満額でなかったことに対し、複雑な思いを抱いていると話しました」
産科医療補償制度を考える親の会代表 永島祥子さん
「少しでもできることがあるならなるべく多くの子どもにお金を残せるように活動する気持ちだけでやってきました」
みつるくんの母・ちえさん
「ゼロだったのが1200万円になったのはよかったと思うが、どうして同等の補償じゃないのかは疑問に思います」
自民党は今後、厚労省に提案し、国は給付に向けて調整する見通しです。
命がけの出産と子育て。誰もが安心してできるように、支援体制を整えていくことが急がれています。
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