ワグネル反乱不問にプーチン政権の弱体化か撤収したプリゴジン氏消息不明もっと知りたい(2023年6月26日)

ワグネル反乱不問にプーチン政権の弱体化か撤収したプリゴジン氏消息不明もっと知りたい(2023年6月26日)

ワグネル反乱“不問”に プーチン政権の弱体化か…撤収したプリゴジン氏“消息不明”【もっと知りたい!】(2023年6月26日)

 ロシアで起きた民間軍事会社「ワグネル」による反乱は、一転して収束し、首都モスクワでの政府軍との軍事衝突は回避されました。しかし、その後、代表のプリゴジン氏と連絡が取れておらず、不穏な空気が漂っています。

■非難したプーチン大統領に「大きな間違いを」

 プリゴジン氏:「ロシアの血が流れる責任を理解し、我々は隊列を方向転換させ、計画通りに野営地に戻る」

 モスクワへの進軍を停止し、隣国のベラルーシに移動するとされていたロシアの民間軍事会社・ワグネルを率いるプリゴジン氏。「24日以降の消息が分からない」とイギリスのBBCが伝えました。

 この週末、世界を驚かす反乱劇を引き起こしたプリゴジン氏の身に何が起きているのでしょうか。

 撮影者:「マシンガンで撃っている」

 プリゴジン氏:「朝の7時30分です。飛行場を含むすべてのロストフナドヌーの軍事施設を制圧した」

 24日、プリゴジン氏は突如、ロシア南部の最大都市・ロストフ州都を制圧したと発表。その後、ロシア軍のヘリを撃墜したと主張するプリゴジン氏は国防省幹部と、こんな会話をしていました。

 プリゴジン氏:「(ロシア軍に)撃ち返したんだ」

 国防省幹部:「撃ち落とした?」

 プリゴジン氏:「そうだ。すでに3機を。続けるなら全部撃ち落とす。もう一度言う。ゲラシモフ参謀総長とショイグ国防相に会うために来た。彼らと会うまではここにいる。ロストフを封鎖してモスクワに行く。君たち全員と話ができていたら、ここに戦車で来ない。分かるか?」

 国防省幹部:「今していることは、全部正しいと信じていると?」

 プリゴジン氏:「全く正しい。ロシアを救っているのだ」

 この事態を受け、プーチン大統領は緊急演説を行いました。

 プーチン大統領:「我々が直面しているのは、まさに裏切りである。過剰な野心と個人的な利益が反逆を引き起こした。これは国家と国民に対する裏切りであり、我々と共に戦い、戦死した兵士らに対する裏切りである」

 “裏切り者”と非難するプーチン大統領に対し、プリゴジン氏は一歩も引かない構えを見せます。

 プリゴジン氏:「大統領は大きな間違いを犯した。我々は愛国者だ。これからも戦い続ける」

■プリゴジン氏“不問”…プーチン政権の弱体化か

 2万5000人いるとされるワグネルは、モスクワに向けて進軍を続けました。

 ワグネルの部隊は、ロストフ州の北にあるボロネジ州の軍事施設も占拠。さらに北へ進みました。しかし、モスクワの200キロ手前で突然、進軍停止を発表。ロストフ州の制圧宣言からわずか12時間後のことでした。

 ベラルーシのルカシェンコ大統領とプリゴジン氏が電話協議した後、事態が収束に向かったとみられています。

 制圧していたロストフ州から退去する際、プリゴジン氏のもとには握手や記念撮影を求める多くの人の姿がありました。

 見送られるプリコジン氏の表情は笑顔。納得する話し合いはできたのでしょうか。

 ロシア大統領府のペスコフ報道官はプリゴジン氏について、武装蜂起を呼び掛けた容疑での捜査が取り下げられ、隣国のベラルーシに移動すると発表しました。

 今回の反乱を“不問”にしたことについて、専門家は次のように話します。

 大和大学 社会学部・佐々木正明教授:「他の手段がないので、この選択肢を出したに過ぎない。(これまでは)裏切り者は許さないというのがプーチン大統領のおきて。これができてないという状況は、プーチン政権の弱体化を示す事案だったと思います」

 しかしながら、現在、消息が分からなくなっているプリゴジン氏の広報担当は、現地メディアに「スタッフとも連絡がついていない」と明らかにしています。

 23日、事実上の武装蜂起宣言から始まった反乱劇。「裏切り者は罰する」と厳しい態度で臨むもその後、一転して「刑事訴追の取り下げ」を表明して収束するといった、プーチン政権が大きく揺らいだ一日となりました。

(「グッド!モーニング」2023年6月26日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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