戦闘続くミャンマーは今 「感情がなくなったような気がする」戦い続ける若者たちに“変化”【報道特集】|TBS NEWS DIG
ミャンマーの軍事クーデターから2年余り。
日本では余り報じられなくなりましたが、戦闘は激しさを増し、多くの市民が命を落としています。
私たちはこの間、最前線で戦うミャンマーの若者たちの取材を続けてきました。
戦闘の長期化で、彼らの心に変化が起きていました。
■忘れられた戦場 ミャンマーは今
日本で本当に長いことミャンマーの民主化を訴え続けている人物がいます。
都内の飲食店で働く在日ミャンマー人のウィン・チョウさん。やきとんがウリの大衆酒場で働き始めて、もう5年になります。
日下部正樹キャスター
「やきとり、やきとんはほとんどウィン・チョウさんが?」
ウィン・チョウさん
「そうです、私しかできない。串をできる人がいないから休めない」
1980年代、学生だったウィン・チョウさんはミャンマーの民主化運動に参加し、拘束されました。軍の弾圧から逃れるため、34年前に来日。民主化運動の仲間だったマティダさんと日本で再会し、結婚しました。
ミャンマーの現状に対し、強い怒りを隠しません。
ウィン・チョウさん
「若者たちが前線に行っている。なぜ行かないといけないのか理解できない。なぜ避難民が出るのか、なんで自分の家で寝られないのか。考えれば考えるほど今のクーデターは許せない」
ウィン・チョウさん、マティダさん夫妻は、SNSで最前線の若者たちと連絡をとりあい、物心両面で支え続けています。若者たちは2人を「日本のお父さん、お母さん」と呼びます。
クーデター以降、私たちはウィン・チョウさんたちの助けを借りて、最前線で戦う3人の若者たちと連絡を取ってきました。
■ミャンマーの若者たち 戦い続ける理由は
日下部キャスター
「アウンカさんこんにちは、お久しぶりです」
アウンカくん
「お会いできて嬉しいです」
日下部キャスター
「表情が精悍になったというか、たくましいですね」
わずか1年前、あどけなさが残っていたアウンカくんの表情は、今はまさに兵士のそれです。
前の日に最前線から戻ってきたばかりだというアウンカくん。この日が25歳の誕生日でした。
日下部キャスター
「ここで寝てるの?これビニール?」
アウンカくん
「これはハンモックです」
日下部キャスター
「ゆっくり眠れます?」
アウンカさん
「眠れますが、寒い日は背中が冷たいです。ここは基地なのでこれ以上は見せられません」
アウンカくんは、民主派の軍事組織「国民防衛隊」に所属しています。軍に反発する若者らで結成され、軍隊経験のないメンバーがほとんどです。
アウンカくんも、工科大学に通う音楽の好きな学生でした。自分が武器を持って戦うなんて夢にも思っていませんでした。
アウンカくん
「今、私たちには自由がありません。軍は私たちを厳しい統制の下に抑えこもうとしています。平和というのは、何の縛りもなく自由に行動できることです。私たちもそれを求め戦っています。」
アウンカくんから送られてきた一枚の写真に、私は強い衝撃をうけました。ミャンマー軍兵士たちの遺体の前でポーズをとっているのはアウンカくんです。
日下部キャスター
「国軍の兵士たちの遺体が何体か横たわっていました。聞いていいかな?アウンカくんが殺害したんですか?」
アウンカくん
「そうだと思います。2人くらいかな。ずっと撃たなければならなかったので何人に当たったのかわかりません。戦場だから自分が撃たなければ撃たれます。戦いが好きなわけではなく、人を殺したくて戦っているわけでもありません」
日下部キャスター
「そういったことを2年間やっているわけで、いろんな考え方とか精神性、変わったところはありますか?」
アウンカくん
「感情がなくなったような気がします。全てに対して冷めている気がします。以前は時間があれば音楽を聴いていました。でも今は、気づくとただぼーっとしていて、音楽も聴かなくなりました」
私たちの日常と、アウンカくんの直面する日常の落差に、しばらく言葉を見つけることができませんでした。
救われたのはアウンカくんの笑顔を見た時です。
アウンカくんの弟・ウェヤンくん
「ハッピーバースデー」
ネットを通じて兄の誕生日を祝う、アウンカさんの弟・ウェヤン君(21)。戦闘中に大けがをし、今は、ある場所で治療を受けています。
■両目を負傷した若者も タイとの国境近くの施設を取材
ミャンマーとタイの国境近く、場所を明かさないという条件でウェヤンくんが保護されている施設の取材が許されました。
ウェヤンくんは去年、軍の空爆で足を負傷しました。支援者の助けで手術を受け、現在リハビリ中です。
アウンカくんの弟・ウェヤンくん
「最初に攻撃を肩に受け、痛みを感じました。来た道を戻ろうとしましたが立ち上がれず、
骨折していることが分かりました。(軍に)捕まったら殺される、と恐怖を感じました」
この施設にはウェヤンくん以外にも、けがをした国民防衛隊の若者、数名が暮らしています。
国民防衛隊の男性
「砲弾の破片で負傷しました。腕や指、目やお腹にも。納得がいきません。戻って復…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230624-6093379)
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