速報女子高校生誘拐殺害事件夫に懲役23年妻に18年の判決東京地裁(2023年6月20日)

速報女子高校生誘拐殺害事件夫に懲役23年妻に18年の判決東京地裁(2023年6月20日)

【速報】女子高校生誘拐殺害事件 夫に懲役23年、妻に18年の判決 東京地裁(2023年6月20日)

 おととし、女子高校生を山梨県内の小屋で殺害した罪などに問われた夫婦に対し、東京地裁は夫に懲役23年、妻に懲役18年の判決を言い渡しました。

 小森章平被告(29)と妻の和美被告(30)はおととし、東京都内の女子高校生(当時18)を車で誘拐し、山梨県内の小屋で殺害した罪などに問われています。

 今月20日の判決で東京地裁は章平被告に懲役23年、和美被告に懲役18年を言い渡しました。

■これまでの裁判で明らかになったこと

 検察側の主張によりますと、おととし8月25日、SNSで知り合った被害者とトラブルになった章平被告はアカウントをブロックされると、和美被告のアカウントを使ってメッセージを送り、被害者を呼び出しました。

 被害者が章平被告の車に乗り込んだところ、結束バンドで拘束したということです。

 その後、夫婦は群馬県内の自宅で被害者と一晩を過ごし、次の日の夜に車で移動を始めました。

 3人は群馬県から長野県を通り、山梨県内に入った翌日の午前6時前に殺害現場となった小屋を見つけます。

 章平被告は誘拐の口封じの目的などで被害者の殺害を決意し、最初に被害者の首をロープで締めました。

 しかし、被害者がむせたために中断し、車で待機していた和美被告に「やっぱり…刺せない…代わってくれ…」とメッセージを送ります。

 和美被告は「代わりに殺してほしい」という意味だと思い、被害者の首をロープで絞め、倒れた被害者にカーペットを掛けて夫が用意したナイフで背中を刺したということです。

■争点は妻の責任能力

 初公判で夫婦は起訴内容を認めましたが、裁判で争点となったのは和美被告の責任能力の程度です。

 和美被告は起訴後に依存性パーソナリティ障害などと診断されました。和美被告の弁護側は障害について「相手がいなければ自分は生きていけないと考え、欲求を曲げても迎合するもの」として「章平被告に依存していた和美被告は章平被告がいなくなることを不安に思い、章平被告に期待される行動を取った」と主張しました。

 そのうえで、行動制御能力や善悪の判断が著しく減退していた疑いがあるとして、責任能力を争う姿勢を示しました。

 一方、検察側は和美被告について「章平被告に依存し、章平被告が期待しているであろう行動として、各犯行に及んだ面があることは否定しないが、善悪の判断などが著しく減退していなかった」として、完全責任能力があったと指摘しました。

■遺族「私の手で死刑にしてやりたい」

 被害者参加制度で裁判に参加していた被害者の父親は意見陳述で「おそろいのユニフォームを着て、20歳になっても神宮球場で一緒にビールを飲んでいると思うと娘が話していた。それを何よりも楽しみにしていた」「夫婦には怒りしかない。私の手で死刑にしてやりたい」と娘を亡くした悔しさを声を震わせて語りました。

 検察側は12日の論告で「主犯である章平被告の責任は重い」「和美被告は反省しているが、犯行の重要な役割を担った」などと指摘し、章平被告に懲役25年、和美被告に懲役22年を求刑していました。

■完全責任能力を認定

 東京地裁は判決で「18歳という未来ある被害者の尊い命が奪われた結果が重大であることは言うまでもない」と指摘しました。

 そのうえで、和美被告について「依存性パーソナリティ障害が犯行に影響を及ぼしていたことが認められるものの、その影響は限定的にとどまり、善悪の判断能力や行動制御能力が著しく減退していたとは言えない」と、完全責任能力があったと認めました。

 さらに「章平被告から離れることへの過度な不安から犯行に及んだものと認められる。役割は章平被告に比べて従属的なものだった」と判断しました。

 一方、章平被告については「犯行に至る直接的な要因は身勝手極まりない動機にあり、犯行を終始主導していたのも章平被告であるから刑事責任は非常に重い」と量刑の理由を述べました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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