ロシアへの反転攻勢に参戦する「4人のウクライナ兵」に聞く 領土奪還の攻防“舞台裏”(2023年6月18日)
「前進」と「苦戦」の両方が伝えられるウクライナ軍の大規模反転攻勢。
番組は最前線で戦う4人の兵士に話を聞くことができました。
集落の奪還に成功した兵士が明かす作戦の舞台裏とは。
■「戦いが3日間以上」奪還作戦の兵士語る
「前に進め!進め!」
ウクライナ軍の部隊が公開した東部の激戦地、バフムトでの戦闘の様子。ロシア軍の占領地域に進撃し…。塹壕などの拠点を一つ一つ制圧する、熾烈な戦いが続いています。
ゼレンスキー大統領が“反転攻勢”の開始を認めてから1週間。今、最前線では何が起きているのか。番組では、領土奪還に向けて戦う、現役兵士ら4人に直接、話を聞くことができました。
(集落を奪還した兵士)「町は完全に破壊されています。残っている建物は1つもありません」
(最前線で戦う兵士)「まったく前進できないときもあるし、逆に1日で3キロも進むときもあります」
反転攻勢が本格化した直後、ウクライナ軍側からは、集落を奪還する映像が次々と公開されました。ドネツク州のネスクチュネ村では、ウクライナ国旗を掲げて。
(第129旅団第7独立大隊の兵士)「ウクライナに栄光あれ!」
今回、まさにこのネスクチュネ村を解放した、第7独立大隊のステパンさんに、奪還作戦の様子を聞くことができました。
Q.これはあなたの部隊ですか?
8ネスクチュネ村を奪還した第7独立大隊ステパンさん)「はい、それは私が撮影した映像です」
Q.そうなんですか?
「戦いが3日以上続いていました。とても過酷な戦いでした。戦闘中に私たちは6人の兵士を失いました。負傷者も多いです」
Q.住民は?
「80歳くらいのおばあさんがいました。破片でけがをしていたので、私たちは彼女に応急処置を施しました」
集落は解放できたものの、ほとんどの建物が破壊されていたと言います。
(ステパンさん)「母国の領土が解放されるのはとてもうれしいことです。ただ正直、いろいろな感情があります。破壊された村は復興できるのか、まったく想像がつきません」
■“奪還足止め”なぜ?塹壕の兵士「戦闘機から攻撃」
東部と南部の3つの戦線で、反転攻勢を進めているとみられるウクライナ軍。マリャル国防次官は、12日の段階で、7つの集落を取り戻したと発表しました。ただ、その後、新たな奪還情報は発信されていません。“バフムト戦線”の最前線で戦っている、イェブゲンさんです。
(第28独立機械化旅団イェブゲンさん)「私たちは今、地下にいて状況は厳しいです。敵は大砲とクラスター兵器を使って攻撃を始めました。それは歩兵と施設に対し大きなダメージを与えます。そのためしばらく塹壕にいます」
今は塹壕の中で次の前進の機会をうかがっているといいます。
(イェブゲンさん)「敵は防衛線を守っており、私たちがそこを突破するのは非常に困難です」
ウクライナ軍の部隊が足止めされている、最大の要因はというと。
(イェブゲンさん)「特に戦闘機からの攻撃が多く10回ほどありました。1時間前も2回、攻撃がありました。ロシアは空に関しては有利な立場にいます。
ウクライナ軍の部隊で諜報活動に携わるコズロフスキーさんも、前線の困難な状況を認めます。
(諜報部門コズロフスキーさん)「ロシア軍の戦闘機は私たちの航空部隊より強いです。私たちはロシアの戦闘機に対抗するためにF16を待っています」
■連日の“キーウ攻撃”狙いは「防空能力」分散か
最新の戦況について、防衛研究所の高橋杉雄さんは―。
(防衛研究所防衛政策研究室高橋杉雄室長)「ロシア側が戦闘ヘリとか戦闘爆撃機をこれまでより、これまでにないほど積極的に投入していて、それが一定の効果を上げているのは事実ではあると。一番確実なのは戦闘機で上空制圧することですけども、F16の供与が遅れたから、というところで苦しいところだと思いますよ。」
さらに連日のように続く、キーウへのミサイル攻撃も、ウクライナ軍の防空能力を分散させる狙いがあると指摘します。
(高橋杉雄室長)「戦場じゃなくて、キーウに防空ミサイルを配備させ続けるのは1つの意味でしょうし、妨害と防空アセット(装備品)の釘付けって目的は大きいと思いますね」
ウクライナ軍の反転攻勢が本格化する中、プーチン大統領は、兵器支援する西側諸国へのけん制を強めています。
(ロシアプーチン大統領)「戦車を燃やしレオパルトを含む何台もの戦車を破壊しました。F16戦闘機も間違いなく同じように燃えることになる」
さらに同盟国ベラルーシへの戦術核兵器の配備がすでに始まっていると明らかにした上で、あらためて核使用の可能性に言及しました。
(ロシアプーチン大統領)「核兵器はいつでも使用することが可能である。ロシアの領土と自由
ロシアの存続に脅威があれば使用は可能だ」
■「主力部隊まだ投入していない」前線兵士語る
ウクライナ軍による反転攻勢、その最大の狙いは、ロシア軍の占領地域を2つに“分断”することです。
(高橋杉雄室長)「ロシアがウクライナの東部から南部にかけて三日月状に占領地域があるわけですけども、それをザポリージャ州あたりで真っ二つに立ち切ると東部と南部を分断して、補給路が分断ができまして、その後、攻撃をしやすくするというような形。とにかく辛抱強く攻めるしかないし、最初というのは攻める側は絶対に消耗するんですよ。ロシア側の防御陣地に穴があけば、おそらく後方で待機している第2グループの戦車部隊はそこになだれ込んでより突破を進めていくと」
番組の取材に応じてくれた、4人目の兵士が、セルギ―さんです。セルギーさんが所属しているのは、第59独立自動車化歩兵旅団。戦車や装甲車を運用して、ロシア軍と対峙してきました。
(第59独立自動車化歩兵旅団セルギーさん)「今回、ウクライナ兵の多くは欧米で訓練を受けた経験があります。戦車なども多く供与されたことは私たちの大きな力になりました」
ウクライナ軍は反転攻勢のために編成した12旅団のうち、まだ3旅団しか戦闘に投入していないとされます。
(セルギーさん)「反転攻勢の準備を進めてきた主力部隊はまだ投入されていません。ロシア軍の弱点を探して戦闘を優位に進めています。私たちは被害が出ても前進します。勇気を持ち成功しなかったことはありません」
6月18日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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