大規模反転攻勢で集落解放ロシア抵抗も前進防衛線突破の鍵は日曜スクープ(2023年6月18日)

大規模反転攻勢で集落解放ロシア抵抗も前進防衛線突破の鍵は日曜スクープ(2023年6月18日)

【大規模反転攻勢で集落解放】ロシア抵抗も“前進”防衛線突破の鍵は◆日曜スクープ◆(2023年6月18日)

■ウクライナ情報機関トップ負傷“要人標的”止まぬ攻撃の連鎖

ウクライナ軍によるロシアの要人を狙った攻撃が加速する。英国防省は16日、ロシア軍のゴリャチェフ少将が、ウクライナ軍による南部指揮所への攻撃により、12日前後に死亡したことを明らかにした。ロシア軍の将軍が死亡するのは今年初めてとなる。ウクライナが英国から供与され、最近、実戦配備していた長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」が使用されたと指摘されている。
SNS上で侵攻関連を中心としたニュースを提供する「ノエルリポート」は15日、親ロシア派でヘルソン地域内務省のポストバロフ副長官が、アラバト砂州への「ストームシャドー」による攻撃で殺害されたと伝えた。また、親ロシア派のヘルソン州のサルド知事は16日のSNS投稿で、「ゼレンスキー大統領と国防省情報総局のブダノフ局長は9日、私を本気で捜索し、ヘルソン地方にある私の居場所に『ストームシャドー』を10発以上発射した」と語った。サルド知事は難を逃れた。

一方、ウクライナの要人を狙った攻撃も伝えられた。国営ロシア通信は15日、ウクライナ軍の情報機関トップである国防省情報総局のブダノフ局長が5月29日、ロシア軍によるミサイル攻撃で重傷を負い、ドイツの病院に搬送されたと伝えた。ウクライナ側は否定している。ブダノフ局長は、ウクライナの首都キーウにある情報総局で、ミサイル攻撃を受けたとされている。ロシア軍は、短距離弾道ミサイル「イスカンデル」11発を発射したが、ウクライナ軍はすべての迎撃に成功したと明らかにした。
両軍による情報戦の激しさが増している。国営ロシア通信は5月24日、ウクライナ軍のザルジニー総司令官は5月初旬、負傷に伴う開頭手術を受け、任務継続が困難な状況にあると報じた。しかし、翌日の5月25日には、ウクライナ側が、ザルジニー総司令官が左手を挙げている様子を収めた映像を公開した。一方、ロシアのサンクトペテルブルクで開催された国際経済フォーラムで、プーチン大統領は、「ロシア軍はウクライナの首都キーウ中心部を破壊することができるが、様々な理由から、そうしないだけだ」と述べ、ウクライナ政権中枢の破壊に自信を示した。

■ウクライナ軍“大規模反転攻勢”短期的な目標とは

4日に開始されたと見られる「大規模反転攻勢」から2週間が経過し、ウクライナ軍の攻撃軸は、東部のクレミンナ、バフムト、南部のザポリージャとドネツクの州境、ザポリージャ西部の4方面に置かれている。ロイター通信は15日、大規模反転攻勢の開始以降も、ウクライナ軍は大部分の部隊が攻撃に備えて、待機していることを報じた。英王立防衛安全保障研究所は14日、「ウクライナ政府は、主導勢力が突破口の条件を模索する中で、大部分の兵力を投入していない」と分析した。

■ザポリージャ・ドネツク州境で前進も“強固な防衛線”突破が焦点

ウクライナ軍は、ベリカ・ノボシルカから南へ向かって攻勢をかけている。ウクライナ軍のフロモフ准将は、「ウクライナ軍は反攻作戦開始以来、ドネツク州西部のベリカ・ノボシルカ付近で最大7km前進した」と戦果を語った。マリャル国防次官は12日、ウクライナ軍はノボダリウカなど5集落を解放したと発表した。ザポリージャ州では、ウクライナ軍によるロシア軍の堅固な防衛線突破が大きな焦点となる。

戦争研究所は17日、「ロシアの砲兵部隊が、ベリカ・ノボシルカの南西と南東で、3回のウクライナ軍の攻撃と軍事偵察の試みを撃退したと」とし、ウクライナ軍が何度も攻勢をかけ、ロシア軍と激しい戦闘を展開していると指摘した。

■ザポリージャ西部“ロブコベ開放”ロシア軍は高台に後退

戦争研究所は17日、ウクライナ軍はザポリージャ州西部で攻撃を強化していることを指摘した。ウクライナのマリャル国防次官は、ロブコベを開放したことを明らかにした。軍事ブロガーによると、ウクライナ軍はザポリージャ西部のピャティハトキを襲撃に成功したことにより、ロシア軍は陣地を確保するために、高台に後退した。

■ロシアの“電子戦システム”ウクライナが破壊を優先

ウクライナ軍によるロシアへの大規模な反転攻勢に対し、ロシア軍は通信妨害を狙った作戦で抵抗を続けている。ウクライナ軍のシェルシェン報道官は14日、ザポリージャ方面で展開するウクライナ軍は、ロシア軍が運用する敵の通信を妨害する「電子戦システム」に対する攻撃を優先していることを明らかにした。戦争研究所は15日、ロシアの軍事ブロガーの情報として、「ロシアの電子戦システムが精密誘導弾の使用を防ぎ、ウクライナの無線通信を強く妨害している」と指摘した。米戦争研究所の最新情報を基礎に戦況を詳報・解説する。

★ゲスト:渡部悦和(元陸上自衛隊東部方面総監)、廣瀬陽子(慶應義塾大学教授)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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