なぜ自衛隊が主導背景に秘密保持異例の協力態勢捜査に課題は(2023年6月15日)

なぜ自衛隊が主導背景に秘密保持異例の協力態勢捜査に課題は(2023年6月15日)

なぜ自衛隊が主導 背景に秘密保持?“異例”の協力態勢 捜査に課題は?(2023年6月15日)

 岐阜市の陸上自衛隊射撃場の銃発射事件について、警察ではなく自衛隊が捜査を主導するということですが、一番の理由は何なのでしょうか。

 (社会部・石塚翔記者報告)
 今回の事件が自衛隊の施設内で起きた事案だからです。自衛隊の任務や業務には秘密保持が徹底されているものが多く、施設内には共有できない情報も多々あります。こうした背景もあり、自衛隊法では、隊の施設内で起きた事件は自衛隊が捜査すると定められています。ただ、今回は通報で駆け付けた岐阜県警が候補生を現行犯逮捕したため、15日までの取り調べや捜査は警察が行いました。
 
 今後は通例通り自衛隊が捜査を行っていくことになりますが、警察も協力するという、警察幹部も記憶にないという異例の捜査体制になります。

 (Q.法にのっとってやれば自衛隊が捜査の主体ということになるわけだが、異例の今後の捜査というのはどのように進んでいくのか?)

 自衛隊の警務隊は今回のような殺人事件にノウハウと装備が十分ではありません。例えば司法解剖や鑑識をするような技術や施設は自衛隊にはありません。こうしたことは警察組織がこれまで培ってきた膨大な経験で事件現場となった訓練場や凶器などを科学的に検証し、事件を客観的に捜査していくことになりました。

 一方で、自衛隊の警務隊は男への聞き取りや他の同僚などからの聞き取りを中心に行っていくなどして、心情面での捜査、自衛隊という閉ざされた組織の中での人間関係など、目には見えづらいものを可視化していくことになります。
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