ダム決壊で避難中にもロシア砲撃か 流された地雷が再び拡散恐れ(2023年6月9日)

ダム決壊で避難中にもロシア砲撃か 流された地雷が再び拡散恐れ(2023年6月9日)

ダム決壊で避難中にもロシア砲撃か 流された地雷が再び拡散恐れ(2023年6月9日)

 ウクライナのゼレンスキー大統領はダムの決壊で浸水し、避難していた住民がロシア軍に砲撃されたと明らかにしました。この砲撃で、けが人が出ているということです。

■ダム決壊で避難中 ロシア砲撃か「けが人も」

 影響は広がり続けています。ウクライナ南部ヘルソン州。ロシアの占領下にあるダムの決壊は、大勢の暮らしを奪い去りました。避難することができない人たちもいます。周囲すべてが水没した家の天窓からは住民が体を乗り出していました。ドローンで運ばれてきた飲料水を受け取っているのです。

 洪水に襲われた町をゼレンスキー大統領が視察。病院を訪れ、負傷者を見舞いました。ゼレンスキー大統領は、ロシア軍が住民の避難中にも砲撃していると非難しています。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ロシア軍は、まさに住民が避難している場所で砲撃を続けている。このテロ攻撃で負傷者も出ている」

 避難中の砲撃は、複数の映像に収められていました。

 ボートで避難しているときに突然、砲撃の音が聞こえ、高く水しぶきが上がりました。また別の映像では。

 記者:「特殊な車で人々を川から救助している時、ロシアが…ほら」「こっちだ!こっち」
 撮影者:「砲撃の音だ!攻撃を受けている!」

■水で地雷流され 再び拡散恐れ

 砲撃はゼレンスキー大統領が訪問した日にも発生していました。洪水はヘルソン州の西、ミコライウ州にも到達しています。そして、その水は地雷原も覆いました。

 地雷除去NGO「ヘイロー・トラスト」の責任者:「川は何カ月にもわたり、戦争の前線にあったため、かなりの地雷が埋められています。この2日、地雷原に行けていません。かなりの地雷が水没していると思います」

 地雷や不発弾が水で流され、再び拡散してしまう恐れもあるといいます。

 ロシアに占領された領土を奪還する本格的な反転攻勢もすでに進行しているとみられます。

 イギリス、フィナンシャル・タイムズは、ウクライナの軍人や、西側政府高官の話として、ドイツがウクライナに供与した主力戦車レオパルトが実戦投入されていると報じました。

 一方、ロシアはこのレオパルトを撃破したとする映像を公開しています。

 ただ、この映像、本当に戦車の撃破を映したものなのか、疑問が噴出しています。

■ロシアが映像公開も 疑念の声

 6日、ロシアのショイグ国防相は、こんな発表をしていました。

 ロシア、ショイグ国防相:「ウクライナ軍は、5つの旅団で7つの方面への攻勢を試みたが、それは阻止され、さらに大きな損失を被った。1600人以上の軍人、レオパルド8両を含む28両の戦車、装甲車や外国製を含む136台のその他の戦闘車を失った」

 レオパルトは、ドイツが今年、ウクライナに供与した主力戦車です。ロシア国防省はそのレオパルトを撃破する様子を撮影したとする映像も公開しています。ところが。

 米シンクタンク「DFRLab」・シャトレ研究員:「ロシアの軍事ブロガーが、これは全然レオパルトではないと投稿したんです」

 レオパルト戦車ではないとすると何なのでしょうか。

 AP通信・ビーセッカー記者:「もし本当にレオパルト8両を破壊されたなら大ニュースですが、ロシア国防省が公開した映像に映っているのは戦車でありません。トラクターだと思います」

 これがそのトラクター。確かに形が似ています。

 AP通信・ビーセッカー記者:「映っているものには4つの車輪があり、地面から高い位置にあります。レオパルトとは一致しません」

 ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者・プリゴジン氏は、ロシア軍なら間違えても仕方がないと皮肉を言っています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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