ダム破壊は「野蛮な戦争犯罪」 プーチン氏がウクライナ非難(2023年6月8日)

ダム破壊は「野蛮な戦争犯罪」 プーチン氏がウクライナ非難(2023年6月8日)

ダム破壊は「野蛮な戦争犯罪」 プーチン氏がウクライナ非難(2023年6月8日)

 ウクライナ南部で起きた巨大ダムの決壊。ウクライナとロシア双方が非難の応酬を続けるなか、プーチン大統領はウクライナが西側諸国の提案でダムを破壊したと主張。「野蛮な戦争犯罪を犯した」と一方的に非難しました。

■ダム破壊で地雷流され…爆発も

 このことによって、利益を得たのは誰だったのでしょうか。水没した下流の街…。こんなこともありました。流された地雷が爆発したとされる映像。

 宇宙からはどう見えるのか。ヘルソン市の対岸、オレシキーという街です。すっかり水没しています。この街も水没、穀物の貯蔵施設も水没。ダム自体も水をせき止める機能が失われています。その結果、水位を保てなくなったダムの貯水池では水が干上がり、この有様です。

 貯水池沿岸の住民:「ここはカホフカ貯水池です。これは生態系の大惨事です。非人道的な占領者がダムを爆破したため、水位はあっという間に下がり、浅瀬にいた魚も避難が間に合いませんでした。そして今、私たちが目にしているのが、この地獄絵図です」

 一体、誰の仕業なのか…。

 トルコのエルドアン大統領は7日、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行い、国際的な調査委員会の立ち上げを提案しました。会談のなかでプーチン大統領は「水力発電所の破壊は野蛮な行為であり、大規模な環境破壊、及び人道上の大惨事につながった」と述べたといいます。

■プーチン氏がウクライナ非難

 一方、ウクライナ当局はダムの破壊について、ICC=国際刑事裁判所に捜査を要請。ゼレンスキー大統領は洪水発生後のロシア側の対応も非難しています。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「占領者はこのような恐ろしい状況下で、人々をただ見捨てている。住民は救助、水、何もない状況で屋根の上に取り残されている」

 当事国同士の非難の応酬…。果たして嘘をついているのは、あるいは事実を誤認しているのはどちらなのか。

■誰が攻撃?応酬続くなか新見解

 ロシア側は「ウクライナの仕業だ」と言い、ウクライナ側は「ロシアの仕業だ」と言うこの事態。第3の見方が浮上しています。

 CNNキャスター:「ロシアとウクライナは一夜にして決壊したと言いますが、もっと時間がかかっていたかもしれません。見て下さい。先月末のこの衛星画像。ダムのこの部分は無傷だが、今月5日には明らかに欠損した部分がある」

 前日の日中にはすでに道路の一部が崩落しているのが分かります。「ダムは自然崩壊したのではないか」。第3の見方とはそんな見方です。ただし…。

 笹川平和財団上席フェロー・小原凡司氏:「きちんと工事がされているもので、このタイミングで崩壊するのはタイミングが良すぎるのではないか」

 やはり人為的な破壊だったのでしょうか。いずれにしても、ダムの下流では洪水が、上流では水位の低下が起きています。

 心配されるのは、ダムの貯水池から水をくみ上げているザポリージャ原発の冷却機能です。IAEA=国際原子力機関によると、7日の時点で14.3メートルに。これが12.7メートルを下回ると、水をくみ上げることができなくなるといいます。このままいけば、2日以内にそうなる可能性があるとみられています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
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