ヘルソン州報道官「ロシア支配地域は大変な状況」 ダム決壊 広範囲で深刻被害(2023年6月7日)

ヘルソン州報道官「ロシア支配地域は大変な状況」 ダム決壊 広範囲で深刻被害(2023年6月7日)

ヘルソン州報道官「ロシア支配地域は大変な状況」 ダム決壊 広範囲で深刻被害(2023年6月7日)

ウクライナ南部で起きたダムの破壊で、広範囲で深刻な被害が出ています。

これまでに1700人以上が避難しているヘルソン州。侵攻で苦しむ人たちを、さらなる困難が襲っています。
住民:「私は、この絵に描いたような美しい町に住んでいることがとても幸せでした。この年でもらった“贈り物”のせいで、眠れず、食べられず、家にも入れません」

とても、市民生活が営める状況にはありません。やっとの思いでたどり着いた我が家は、一夜にして、無残な姿にかわっていました。無事、家族と再会できたものの、貴重な食べ物は、すべて水の中です。

2カ所が決壊し、水があふれ出たダム。イギリス国防省は、今後、数日間でほかの部分が壊れるなどして、ダムの状況が悪化し、さらなる洪水を引き起こす危険があると指摘しています。さらに、今回のダム決壊で、ロシア軍が仕掛けた地雷が流れ出て、爆発する危険性も出ています。

ヘルソン州報道官:「被害に関しては、いまは、まだ断言できません。住民は避難してる最中で、水位が最も高くなるのは明日です。その後、水位が下がれば、被害が把握できるでしょう」

へルソン州は、ドニプロ川の南側をロシアに支配されています。大規模な洪水が起きた今、両岸で、避難が必要です。
ヘルソン州報道官:「ロシア支配地域は、こちらよりも大変な状況です。ロシアは避難を始めておらず、人々は危機的な状況にあるのです。あちらは、土地がさらに低いので、大きな洪水が発生しています。人々は、家の屋根で救助を待っています。こちらに移動しようとする人に対し、ロシアは“銃殺する”と脅しています」

ウクライナ側とロシア側、どちらによる破壊なのか、まだ明らかにはなっていませんが、アメリカが、ロシア側が関与した証拠をつかんでいるという報道もあります。

ロシア側がやったにしても、急な作戦だったのか。近くにいたウクライナ軍の大尉は、こう話します。
ウクライナ軍・ピドリスニイ大尉:「ロシア軍の陣地は完全に破壊されました。浸水で逃げ惑う様子が見え、多くの死傷者が出ていたようです」

ロシア側の発表では、7人が行方不明になっているということです。

ダムの破壊を受けて、国連で開かれた安保理の緊急会合では、非難の応酬が続いていました。
ウクライナ・キスリツァ国連大使:「ウクライナの重要インフラに対するテロ行為であり、極限まで民間人の犠牲を出し、破壊を引き起こすのが狙いです」
ロシア・ネベンジャ国連大使:「ウクライナによるインフラ施設への意図的な破壊工作は、極めて危険で、戦争犯罪もしくはテロ行為に分類され得るでしょう」

ただ、浸水した地域でのロシア軍の行いは、言葉とは正反対のものです。
ヘルソン市民:「きっと、ロシアはよく考えずにダムを破壊したのでしょう。彼らは非人道的です。絶対に許されません」
こう話している最中に砲撃がありました。

ウクライナ当局は、約4万2000人が洪水被害を受ける恐れがあると予想しています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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