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「簡単に言葉に出来ないと言われるのが一番うれしい」是枝裕和監督が生出演 カンヌ脚本賞「怪物」を語る【news23】|TBS NEWS DIG
カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した「怪物」。小学校で起きたある事件をシングルマザー・教師・子どもたちの視点から描く三部構成の物語です。是枝裕和監督に生出演で撮影秘話を語ってもらいました。
小川彩佳キャスター:
特別なゲストをお迎えしております。是枝裕和監督にお話を伺います。よろしくお願いいたします。是枝監督の最新作「怪物」はカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。さらに、6月6日の本日はお誕生日でいらっしゃるということで、おめでとうございます
是枝裕和 監督:
ありがとうございます。よろしくお願いします。
■是枝監督に聞く 映画「怪物」カンヌで脚本賞
是枝裕和監督の映画「怪物」は小学校で起きたある事件を、シングルマザー・教師・子どもたちの視点から描く三部構成になっています。
「怪物」とは何なのか、それぞれの視点から問いかける作品です。
音楽は、3月に亡くなった坂本龍一さんが担当しています。
これまでは自身で脚本を手掛けることがほとんどだった是枝監督ですが、今回は「今一番リスペクトしている」と語る、脚本家の坂元裕二さんと初めてタッグを組みました。
「怪物」はカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。是枝監督は坂元さんの脚本をこう捉えていました。
是枝裕和監督
「成長過程に起きる、誰もが感じるであろう内的な葛藤。自分の中に自分でも捉えきれない、言葉にしにくい感情を抱えてしまった時の少年たちの話だと、僕自身は捉えました」
実際に映画館で「怪物」を観た人に感想を聞きました。
「最初と最後で全然印象が変わって終わった。見せ方とかすごく面白いと思いました。最終的にみんなの当事者になった気分というか」
「お母さんの視点と先生の視点と子どもの視点で、結論は最後自分で考えるという」
「人間として分かる部分がそれぞれにあった。もちろん遠い映画の作品の中での話なんですけど、自分にも何か言われてるような気がする瞬間があって」
「難しいですね、(“怪物”が)結局何だったのかは…分からなかったですね」
■「“簡単に言葉にできない”という感想が一番嬉しい」
小川キャスター:
公開から5日というところで、日本でも様々なご意見がありましたけれども、国内外の反応をどうご覧になってますか。
是枝監督:
とても振り幅が広いというか、たくさんのお褒めの言葉も、お叱りの言葉も届いています。ただ多いのは「言葉にしにくい」という感想が多くて…。この映画も実は、言葉にできないことについての映画なので、簡単に言葉にできないという感想が一番嬉しいです。
小川キャスター:
私も見させていただきました。もう言葉にならない様々な感情が胸の中でないまぜになって、朝まで眠れませんでした。そんな感覚を覚える方も多かったんじゃないかなと思います。
山本恵里伽キャスター:
改めて是枝監督のプロフィールをご紹介させていただきます。
1962年6月6日生まれ、今日で61歳になられました。1995年、「幻の光」で映画監督デビューをされまして、その後「誰も知らない」「そして父になる」「三度目の殺人」など様々な作品を手がけ、2018年には「万引き家族」でカンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールを受賞されました。
小川キャスター:
パルム・ドールのときの拍手もすさまじかったですけれども、今回「怪物」の上映の際もカンヌでの拍手が鳴り止まなかったですよね。この中にいらっしゃったときというのはどんな感覚なんですか。
是枝監督:
今回、関わってくれたスタッフがたくさん同席してくれたので、そのことが本当に嬉しかったです。前回の「万引き家族」のときは樹木希林さんが隣にいて、「いつまでも手を振ってるのは、物欲しげだからすぐ帰りたい。みっともないから帰ろう帰ろう」って言っていたんです。今回は希林さんはいないんですけど、どこかから希林さんの声が聞こえるようで、拍手を浴びて、幸福感で…みたいなことはもうないですね。
山本キャスター:
あのときは希林さんのことを思いながら、立ってらっしゃったということなんですね。
是枝監督:
「早く帰りなさい」という声が聞こえてきました。
■是枝監督が子役に“伝えたこと”とは
山本キャスター:
映画「怪物」の主な主人公を簡単にご説明させていただきます。安藤サクラさん演じる“息子を愛するシングルマザー”そして永山瑛太さんが演じる“生徒思いの小学校の教師”そして2人の子どもたちということで、三つの視点から物語は描かれていきます。撮影現場では、是枝監督から子どもたちに演技指導をする場面がありました。
映画撮影中の是枝監督
「言葉のキャッチボールが上手くいっていない気がしました。それぞれがそれぞれの台詞を言ってるように聞こえた。投げかけて、受け止めて、動いてください」
小川キャスター:
子どもたちへのこうした演技指導があったわけですか。
是枝監督:
そうですね。この子たちは本当に上手だったので…こんなことしたかな。でも“キャッチボール”というのは大事なので、相手のセリフを聞くということだけは注意してました。
小…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230607-6089873)
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