多発した「線状降水帯」気象庁初の“最大30分前倒し通知”は機能したのか?(2023年6月3日)

多発した「線状降水帯」気象庁初の“最大30分前倒し通知”は機能したのか?(2023年6月3日)

多発した「線状降水帯」気象庁初の“最大30分前倒し通知”は機能したのか?(2023年6月3日)

線状降水帯は今回も発生から短時間で甚大な被害をもたらしました。最初の線状降水帯は、2日午前8時すぎに、高知県で発生。その後も、和歌山県、奈良県、三重県、夕方から夜にかけては、愛知県と静岡県で発生。6つの県で合計11回も線状降水帯の発生情報が出されるという、初の事態となりました。実は、先月25日から、気象庁による線状降水帯の情報の伝え方が大きく変わりました。線状降水帯の「発生が予測される」ケースでも「発生した」と発表することにより、最大30分前倒しで知らせることが可能になりました。これは、過去に、線状降水帯の発生からごく短時間で、洪水や土砂災害が発生するケースが多かったためです。今回の記録的な大雨では、新しくなった線状降水帯の発生情報が初めて運用され、実際に線状降水帯が発生するよりも前に警戒が呼びかけられた地域もありました。
新しくなった線状降水帯の発生情報は、市民の行動に、どのように影響したのでしょうか?サタデーステーションが訪ねたのは、9年前に大雨で土砂崩れが発生した、和歌山県海南市。この地域でも今回、線状降水帯が発生しました。

(海南市民・植田廣子さん)
『(当時が)すごいフラッシュバックして怖かった』

2014年に土砂崩れがあった場所のすぐ近くに住んでいる植田さん。今回の豪雨に関しては、携帯電話には自治体から避難を呼びかける通知は来ていたものの、線状降水帯が発生したという通知は届いていませんでした。一方、テレビで線状降水帯の発生を知ったという人は…

(海南市民)
『キャンプに行く時のゴムボートを膨らませてみたり、浸かってきたら避難できるかなとか、あと、おにぎり作っといて食べれるように。水も用意するとか。自分の家の1階が浸かったら2階に逃げようかとか、それ以上になるとどうしようかなと、ずっとそれは考えていました』

農家の青木さんは「線状降水帯の情報は早く出してもらうことに意味がある」と感じていました。

(海南市の農家・青木秀文さん)
『事前に線状降水帯がきますと言われても、1時間や2時間で畑をどうすることもできない。ただ、自分の命を守るとか、避難する。30分でも早く知ればそういう行動に出られる』

線状降水帯が発生する直前、学校に子どもを迎えに行っていた筒井さんは…

(海南市民・筒井大輔さん)
『携帯の緊急の通知とかでいただける方が、すぐに行動できるかなとは思います』

2日午前11時半ごろ、筒井さんが、車で国道を走っていた時のドライブレコーダーの映像です。娘の学校へ向かうために、細い路地に入ると、泥水で深さがわからない状態に。

(海南市民・筒井大輔さん)
『ん?ヤバない?ヤバない?』

すぐに、引き返して事なきを得ました。

(海南市民・筒井大輔さん)
『ちょっと下り坂になっているので、このままだったら、もしかしたらエンジンが止まって立ち往生しちゃうかなと思って』

気象庁は、今後の線状降水帯の発生予測について、さらに雨量の予測精度を高め、3年後には、現在より2~3時間前に警戒を呼びかけられるような運用を目指す、としています。

サタデーステーション 6月3日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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