「死ななきゃいけないほどの何かをしたのか」学校での“指導死”で家族を亡くした人々の訴え 文科省は実態把握へ|TBS NEWS DIG

「死ななきゃいけないほどの何かをしたのか」学校での“指導死”で家族を亡くした人々の訴え 文科省は実態把握へ|TBS NEWS DIG

「死ななきゃいけないほどの何かをしたのか」学校での“指導死”で家族を亡くした人々の訴え 文科省は実態把握へ|TBS NEWS DIG

「指導死」という言葉をご存じでしょうか?学校の教員からのいきすぎた指導で、子どもが追い詰められ、自ら命を絶つことです。遺族は会見で「実態を知ってほしい」と訴えています。

碧さんの父 加藤健三さん(51)
「おおらかというか、長男であったこともあってお兄ちゃんしてたなという感じ、お兄ちゃんらしいところをよくを見せていて」

加藤碧さん、13歳。6年前、東京・板橋区の城北中学校に通っていた中学1年生のとき、自ら命を絶ちました。

加藤碧さん
「毛利衛さんのような宇宙飛行士になります」

宇宙に興味を持ち、中学校では好きな水泳を部活に選んで、熱心に取り組んでいたといいます。その日は冬休みでしたが、補習と部活があり碧さんは登校していました。そして、教員から「指導」を受けた直後、命を絶ちました。碧さんに何があったのでしょうか。

調査や検証を行った第三者委員会の報告書では、部活の顧問らからこんな言葉を浴びせられたといいます。

「とんでもないことをしてくれたな」
「教育的指導というよりは、まさに犯罪を行った犯人を捜すような手法」

報告書によりますと、碧さんは亡くなる前日と当日、SNSの使い方などについて「心理的に追い詰めるような威圧的な指導」を受けていました。

碧さんの父 加藤健三さん(51)
「指導死という言葉で(子どもが)悪いことしたんでしょって一言で片付けられて。死ななければいけないほどの、追い詰められなければいけないほどの何かをしたのか」

父・健三さんは6年たった今も、碧さんのことを思い続けています。

碧さんの父 加藤健三さん(51)
「歯ブラシとかは片付けられないですし、食事も5食必ず作って、ずっとそれが当たり前なんですけど、うちは絶対にずっと5人家族なんで。お店とか入って『4名様ですか』と言われると」

子どもの自殺をめぐっては、2022年度に小中高校生の自殺者数が514人となり、1980年以降最多となっています。この調査では、自殺前に生徒が置かれていた状況も調べられていますが、およそ6割が原因不明とされています。

29日、加藤健三さんら「指導死」遺族が会見を開き、「実態を知ってほしい」と訴えました。

碧さんの父 加藤健三さん(51)
「正しい情報を吸い上げて、正しい実態を知っていただきたい。1人の命の重みを本当に考えていただきたいというふうに思います」

10年前に「指導死」で弟の悠太さん(当時16歳)を亡くしたはるかさんも、「第三者による検証をしてほしい」と話しました。

弟・悠太さんを亡くした はるかさん
「原因不明の中に、私達の大切な家族が含まれてしまっているというのが現状としてある。子どものなくなってしまった苦しかった思いとか、声なき声に耳を傾けて、原因不明で終わらせずに、次の命を救うために検証をしていただきたい」

文科省は今年の調査でようやく「指導死」の実態把握に動き出しますが、子どもの命を守るための対策が急がれます。

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