大阪を「国際金融都市」へ 万博後の成長戦略ビジョン着実に、吉村知事が東京で大阪への投資呼びかけ
「国際金融都市」を目指す大阪府の吉村洋文知事は、２３日、東京を訪れ、大阪への積極的な投資を呼び掛けました。吉村知事の狙いを、加藤沙織記者の報告です。
加藤記者
「ここ東京の会場では、大阪府の吉村知事が訪れ、投資家たちに直接、大阪の魅力をプレゼンしているということです」
東京・六本木の高級ホテルで、メディア非公開で行われた吉村知事のプレゼンテーション。
関係者によりますと、吉村知事は、約５０人の機関投資家を前に、開発事業や観光資源など、大阪の魅力を訴え、積極的な投資を呼びかけたということです。
吉村知事
「大阪・関西に進出したいという企業もありましたので、これを何とかチャンスを掴んで、国際金融都市に一歩でも二歩でも近づけていきたい」
吉村知事が、わざわざ東京に行ってまで投資を訴える理由。
それは、「万博後」の成長戦略のビジョンを着実に描きたい思惑があります。
万博終了後に、世界クラスのイベント開催の予定はなく、カジノを含む統合型リゾート・ＩＲも運営企業のトップが開業が遅れる可能性を指摘するなど、不安定な要素が大きいのが現状です。
こうした中で、大阪府などは“大阪経済の足腰を盤石なものにする”ために、大阪を「ニューヨークや香港などに並ぶ「国際金融都市」にするという目標を掲げ、万博が開催される再来年度までに、外資系の金融企業３０社の誘致を目指しているのです。
また、これに先立って吉村知事は、北陸新幹線の一日も早い全線開業を求める大会にも参加しました。
吉村知事あいさつ
「非常に大きな広域交通ネットワークになりますし、そのためにも、大阪までの全線開業を一日も早くすることが必要だと思う」
関係者によりますと、２０３１年着工、２０４６年開業とされている福井県の敦賀から新大阪までの延伸の前倒しをすることで、外国人観光客に人気の高い金沢を訪れる観光客を、早期に取り込みたいという思惑があるということです。
大阪は、万博をきっかけに、「国際金融都市」としての評価を確実にできるのか。また、その影響力を「北陸新幹線」に乗せて波及させられるのか。
政界に影響力があった松井市長が引退し、いよいよ大阪の真価が問われます。
