【報ステ解説】「訪問で状況変わった事例も」“非核化”進む?G7『原爆資料館』視察へ(2023年5月15日)

【報ステ解説】「訪問で状況変わった事例も」“非核化”進む?G7『原爆資料館』視察へ(2023年5月15日)

【報ステ解説】「訪問で状況変わった事例も」“非核化”進む?G7『原爆資料館』視察へ(2023年5月15日)

岸田総理が「歴史に残るサミットにしたい」と意気込む、G7広島サミットの開幕まであと4日。実質的な協議は19日からですが、18日に日米首脳会談が行われることが、15日に正式発表されました。

今回はメイン会場が広島市内に置かれただけでなく、平和公園や宮島への移動もあります。日本で開催されるG7サミットで、都市部で開催されるのは、1993年の東京サミット以来。広島県警だけではなく、全国の警察の応援も加え、警備は厳重になっているということです。

G7広島サミットの基本的な情報をまとめます。

◆G7メンバー

日本:岸田総理
イタリア:メローニ首相
カナダ :トルドー首相
フランス:マクロン大統領
アメリカ:バイデン大統領
イギリス:スナク首相
ドイツ :ショルツ首相
EU   :ミシェル大統領
EU   :フォンデアライエン欧州委員長

◆招待国

オーストラリア
ブラジル
コモロ(アフリカ連合議長国)
クック諸島(太平洋諸島フォーラム議長国)
インド
インドネシア
韓国
ベトナム

◆主な開催場所と日程

平和公園(19日)
:岸田総理がG7首脳夫妻を出迎え。原爆資料館の視察など。

グランドプリンスホテル広島(19日~21日)
:連日セッションが行われるメイン会場。19日には、ウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインで参加。ウクライナ問題など意見交換。

宮島・厳島神社(19日)
:首脳らの集合写真&老舗旅館での夕食会。

◆主要テーマ

地域情勢:
ロシアに対する制裁、ウクライナへの支援を強力に推進。
中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」に関する、G7の連携を確認・強化。

核軍縮・不拡散:
「核兵器のない世界」という理想に結び付けるため、G7として現実的・実践的な取り組みを進めていくとの力強いメッセージを発信すべく議論を深める。

【重要課題“ウクライナ”日本の本音】

政治部官邸キャップ・千々岩森生記者に聞きます。

(Q.幅広いテーマが議論されるG7サミットですが、最大のテーマは何になりますか)

千々岩森生記者:「最大のテーマは間違いなく、ウクライナ問題です。ロシアへの制裁、ウクライナ支援を継続していくために、結束を図ります。ただ、日本にとって、ウクライナ問題の“裏テーマ”が中国です。ウクライナの今の姿は、明日の東アジアかもしれない。台湾をめぐって、尖閣諸島をめぐって、東アジアで有事が起きてしまった時は『日本と結束してくれますよね』という狙いが、岸田政権にはあると思います」

(Q.原爆資料館の訪問があります。原爆の惨状を伝えるために、岸田総理は各国の首脳に、何をどこまで見てもらおうと考えていますか)

千々岩森生記者:「この週末に原爆資料館を見てきましたが、とにかくすごい人で、半分以上が外国の方でした。東館の方が本館よりも見るからに警備が厳重だったので、恐らくG7首脳の訪問は東館になるとみています。本来は本館の方が、見るのもつらいような、被爆者の衣服や写真などが展示されていて、被爆の実相を深く知ることができます。ただ、核保有国にとっては資料館の訪問自体が、ハードルの高いものになります。今回、核保有国4カ国の首脳が資料館を訪問することは、一歩前進と捉えたいと思います」

(Q.報道ステーションが13・14日に行った世論調査では、今回のサミットで“世界の非核化”の動きが「進まない」と考える人が61%となっています。これは前進につながる数字ですか)

千々岩森生記者:「『ただ見たって変わらない』という気持ちがあるのもよく分かります。ただ一方で、原爆資料館を訪問して、実際に見て心を打たれて、状況が変わった歴史的事例もあります。7年前、当時の大統領・オバマ氏の原爆資料館訪問に尽力したのが、アメリカの国務長官として初めて資料館を訪問したケリー氏でした。ケリー氏は訪問直後、『とにかく胸を打たれた。オバマ大統領も来るべきだと伝える』という話をしていました。ケリー氏が説得し、オバマ氏が広島を訪問。そして、その当時、副大統領だったバイデン氏が今回、大統領として広島を訪れます。今回はアメリカだけでなく、イギリス・フランス・インドといった核保有国も訪問する意味では、一歩一歩だけども歴史が積み重なっていることを感じます。だからこそ、資料館を単に見て終わるのではなく、核廃絶や削減に向けて、実効性のある動きにつなげてほしい。岸田総理がリーダーシップを発揮する時だと思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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