世界ジオパーク・山陰海岸にイエローカード!?ユネスコは『天然石の販売』を問題視か(2023年5月12日)

世界ジオパーク・山陰海岸にイエローカード!?ユネスコは『天然石の販売』を問題視か(2023年5月12日)

世界ジオパーク・山陰海岸にイエローカード!?ユネスコは『天然石の販売』を問題視か(2023年5月12日)

関西唯一の世界ジオパーク「山陰海岸」が今、“イエローカード宣告”を受けています。

 京都・兵庫・鳥取にまたがる山陰海岸。変化に富んだ海岸線や、良好な状態で残る地殻変動の跡が特徴で、兵庫県豊岡市の玄武洞や鳥取砂丘が代表的な場所です。

 2010年に日本で4か所目として「世界ジオパーク」に。世界ジオパークとは、ユネスコが優れた地質や地形を持つ地域を「大地の公園」として認定するもので、世界46か国177の地域が登録されています。

 4年ごとに審査を受け再認定される必要がありますが、去年12月からの4年間について、ユネスコは半分の2年間だけしか認定せず、条件付き再認定・イエローカードとしたのです。その一方で、なぜ半分になってしまったのか、その理由は明かしませんでした。

 そして今年5月11日…。

 【ユネスコのホームページより】
 『博物館で地質的資料が販売されていることに着目した。審査員らはイエローカードに投票した』

 ユネスコは、条件付き再認定となった理由についてホームページ上で発表。それによると、玄武洞近くにある博物館で「地質的資料」が売られていることが問題視されていました。

 実際、この博物館の敷地内にある店では、別の場所から仕入れたトルマリンやトパーズといった天然石を販売していて、ユネスコの指す地質的資料とは、これらの天然石とみられています。

 この指摘について5月12日、兵庫県などで作る山陰海岸ジオパーク推進協議会が会見を開きました。

 (山陰海岸ジオパーク推進協議会 中瀬宏さん)
 「ユネスコのジオパークの理念において、地質資源の販売は極力といいましょうか、おさえるようにという理念があります。規定・レギュレーションが厳しくなってきたんだと」

 ユネスコのガイドラインでは、地質遺産の保護を推進するため、ジオパーク内でいかなる産地の石でも販売に関わってはならないとしています。協議会によりますと、店では約50年前から天然石を販売していて、ジオパーク認定後は徐々に減らす方向で調整していたということですが、今回、厳しく審査された可能性があるということです。

 市民らからは、次のような声が聞かれました。

 「ちょっとショックですよね、そういうことはね」
 「特にそこまで問題視されるようなことではないかなとは思います」

 協議会は今後、地質資源の販売について店側と話し合いを続けていきたいとしています。

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