【野生のシカ】生息エリアが拡大 “絶滅した”茨城県でも目撃相次ぐ
10年ほど前まで、野生のシカは絶滅したと考えられていた茨城県で、近年、シカが目撃される回数が増えているといいます。林業や農作物などに被害が出ていて、地元では対策に乗り出しています。
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先月30日に東京・青梅市で撮影されたのは、民家の庭に突如現れたニホンジカとみられる動物です。このシカがいま、生息エリアを急速に拡大させているのです。
近年、シカが目撃されるようになったという茨城県北部の大子町を訪れました。
大子町森林組合 戸邉洋一さん
「(シカが)どこから出てくるかそれは分からない」
険しい道を走り、林業を営む男性に案内されたのはヒノキ林です。
大子町森林組合 戸邉洋一さん
「これがそうだね。恐らくシカが皮をむいた」
シカがヒノキの皮を食べたとみられる跡がありました。
大子町森林組合 戸邉洋一さん
「これもそうでしょ」
周囲を見回ると、同じように皮が食べられたヒノキを次々と発見することができました。
ここ数年、茨城県内ではシカの目撃が増え、林業や農作物などに被害が出ているといいます。
大子町森林組合 戸邉洋一さん
「住宅用の木材になる前に枯れちゃうかもしれない」
そもそも茨城県では、シカは明治・大正時代に“絶滅”したと考えられていて、47都道府県で唯一、生息していないとされた場所でした。
森林総合研究所・主任研究員 永田純子さん
「茨城県が本当に最後の砦。最後の“シカなし県”だったんですけど」
しかし、10年ほど前、大子町の山あいでシカが確認されました。
森林総合研究所・主任研究員 永田純子さん
「2013年から2014年頃、茨城県の北の方で目撃の記録が報告され始めた」
その後、「つくば市」でも捕獲されたため、専門家を驚かせていたのです。
森林総合研究所・主任研究員 永田純子さん
「まさに寝耳に水という感じ」
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大子町で捉えられたシカの写真には、角があるものや、そうでないものが写っていました。基本は1頭ですが、時には2頭で現れることもあります。目撃される回数も、年々、増加傾向にあるといいます。
実際、環境省が調査したシカの生息エリアをみてみると、2014年度以前は、“シカなし県”だった茨城ですが、2020年度の調査では北部と南西部で生息が確認されています。シカが住むエリアが拡大していると考えられています。
大子町に現れるシカは、隣接する栃木県や福島県からやってきたとみられています。一方で、南西部で見つかったシカは、栃木県の日光エリアから鬼怒川沿いを移動し茨城県へ入ったとみられています。
シカの出現で困惑する地元の住民。そこで立ち上がったのは猟友会です。
大子町鳥獣被害対策実施隊 鈴木紳太郎さん
「シカがどんどん入ってきているので、これ(林業)で 生活している人が生活できなくなってしまう」
町からの依頼を受け、駆除に乗り出しているといいますが…
大子町鳥獣被害対策実施隊 鈴木紳太郎さん
「(駆除は)なかなか難しいですね。通りにワナを仕掛けて捕るしかないのかなと…」
木々が生い茂り見通しが悪いうえ、会員の高齢化も相まって、駆除は困難だといいます。
生息エリアを拡大させているシカですが、専門家は、自治体が連携してシカの保護や管理をしていくことが重要だと話しています。
(2023年5月2日放送『news every.』より)
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