【対ロシア戦略…米国が決断】反転攻勢で“重要局面”核脅威の懸念は◆日曜スクープ◆(2023年4月30日)

【対ロシア戦略…米国が決断】反転攻勢で“重要局面”核脅威の懸念は◆日曜スクープ◆(2023年4月30日)

【対ロシア戦略…米国が決断】反転攻勢で“重要局面”核脅威の懸念は◆日曜スクープ◆(2023年4月30日)

ウクライナ侵攻を巡り米欧とロシアの対立が深まる中、中国の習近平国家主席は26日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談した。両首脳による電話会談は、昨年2月にウクライナ侵攻の開始以来、初めてとなる。習氏は、和平交渉を推進するために中国政府の特別代表をウクライナに派遣すると表明。また、ウクライナ大統領府は会談が1時間に及んだことを明かした上で、「平和は国際法の原則と国連憲章の尊重に基づき公正で持続可能でなければならない。領土を妥協する平和はありえない」と述べ、ロシアが占領する東部や一方的に併合したクリミア半島を譲ることはない考えを示した。一方、ロシア外務省のザハロワ報道官は「我々は中国側が交渉プロセスの確立に向けて努力する用意があることを認識している。中国外務省が2月24日に示した立場と我々のアプローチは広く一致している」と、中国側の対応を評価した。米国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官は、電話会談を歓迎すると評価しつつも、「それが有意義な和平の提案などにつながるかは、今はまだ分からない」と語った。

バイデン米大統領は19日、ウクライナに対する3億2500万ドルの新たな軍事支援を発表した。高機動ロケット砲システム「ハイマース」用の追加弾薬のほか、砲弾や対戦車地雷など、現在の戦況に不可欠な支援内容になっている。昨年2月の侵攻開始以降、米国による軍事支援の総額は354億ドル(約4.8兆円)に上る。25日、民主党のバイデン米大統領が2024年の大統領選での再選を目指して出馬表明した。「バイデン大統領は、不退転の決意でロシアに向き合う覚悟を固めた」と、日本経済新聞・本社コメンテーターの秋田浩之氏は分析する。「バイデン米大統領は、2月20日のキーウ訪問でウクライナと連帯を誓った。米軍非常駐の戦時下にある国に入る前例はない」として、米国がロシアとの戦いに国力を傾ける決断をしたと秋田氏は解説する。世界各国の首脳が参加するミュンヘン安全保障会議が2月に開かれ、秋田氏も参加した。同会議には、ハリス米副大統領、ブリンケン米国務長官、バーンズ米CIA長官、また、約50人の連邦議員などで構成する代表団が出席。ワシントンの一部が移動してきたような光景だったと言う。

その一方で秋田氏は「米国の覚悟を揺るがしかねない事態も想定しておく必要がある」とも指摘する。「ウクライナを支える」というコンセンサスは、バイデン政権や民主党のみならず、現時点での共和党指導部との間でも共有されているものの、米国の政界の中で、2024年の大統領選を念頭に、“時間軸”が問題になりつつあるというのだ。共和党候補指名争いに出馬しているトランプ前大統領は、ウクライナ支援に消極的な姿勢を示し、軍事支援を継続するバイデン米大統領を批判している。米国の世論調査でもウクライナ支援に懐疑的な声が増えている。大統領選が本格化する年末の時点での、ウクライナの反転攻勢での成否は、どこまで支援を継続するのか、停戦交渉も視野に入れるのか、米国の選択に影響を及ぼし得るとされている。

さらに秋田氏は、ウクライナの大規模な反転攻勢が上手く行けば行くほど、想定しておかなくてはならない懸念もあると指摘する。安全保障を協議する欧米の現場で秋田氏が目の当たりにしたのは、ロシアによる核使用の懸念だ。また、ロシアが核兵器を使用しなくても、無謀な『ならず者国家』となるリスクも排除できない。ウクライナでの戦争の今後をめぐり、複雑に変数が絡み合う国際政治の現実に向き合う。

★ゲスト:渡部悦和(元陸上自衛隊東部方面総監)、駒木明義(朝日新聞論説委員)、
★アンカー:秋田浩之(日本経済新聞・本社コメンテーター)
(動画公開は放送から2週間です)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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