【大学を提訴】“認知症”疑いの患者が3億円寄付…娘らが無効訴え

【大学を提訴】“認知症”疑いの患者が3億円寄付…娘らが無効訴え

【大学を提訴】“認知症”疑いの患者が3億円寄付…娘らが無効訴え

“認知症の疑いがあった高齢者が寄付した3億円は無効だ”と患者の娘らが、寄付した先の金沢医科大学に損害賠償を求める訴えを起こしました。専門家は「認知症」をめぐるトラブルが増えていると指摘しました。

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「認知症の疑いがある患者に3億円を寄付させたのは無効だ」と、患者の娘らが金沢医科大学を訴えました。

“認知症”の父親が3億円寄付 無効訴える娘
「今回の寄付は、認知機能の低下が顕著であった89歳の高齢者に対して、3億円もの寄付をさせたという極めて異常で不当なものです」

訴えによると、金沢医科大学に3億円の寄付をしたのは、金沢市の機械メーカー「澁谷工業株式会社」の前社長・澁谷弘利さんです。

2021年1月、サウナで脱水状態となり倒れた澁谷さんは、金沢医科大学病院に入院し、治療を受けていました。この大学では、それ以前から教育・研究関係施設の再整備を目的とした創立50周年の募金の協力を呼びかけていて、澁谷さんは入院から4か月が過ぎた5月、この募金に応じる形で3億円を寄付しました。その5か月後、90歳の時に心不全で亡くなっています。

“認知症”の父親が3億円寄付 無効訴える娘
「認知症が相当進行していたのか、大声で叫んだり看護師の処置を激しく拒むなど了解不能の言動をあらわにするようになり、『(容体などを)説明してほしい』と何度も申し入れましたが、いつも誠実な対応をしていただけず、はぐらかされていました」

寄付は澁谷さんの判断能力が著しく低い状態で行われたものとして、大学側に2億4750万円の損害賠償を求めています。

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一方、訴えによると、大学側は澁谷さんが大学病院を訪れた際、3億円の寄付を申し出た上、会社や家族には伝えないでほしい旨を強調したと主張しています。

金沢医科大学は取材に対し、「現時点では訴状が届いておらず、コメントは差し控えさせていただきます。本学は正当な手続きを経て寄付金を受け入れています。今後、訴状内容を確認してから対応したいと思います」とコメントしています。

今回の事案について認知症に関する問題に詳しい弁護士に話を聞きました。

「認知症」問題に詳しい中根秀樹弁護士
「高額の財産を第三者の贈与することについて、十分な判断をする能力があったかということが問題だと思います。すでにお亡くなりになっているので、現在の意思能力を判断するのではなく、(寄付した)当時の状況を判断しないといけないので大変難しい」

また中根弁護士は、こうした「認知症」をめぐるトラブルが増えているといいます。

「認知症」問題に詳しい中根秀樹弁護士
「遺言を書くことが増えていますけど、遺言を書くだけの能力があったかが、亡くなった後にトラブルになる。医師の診断書を残しておくとか、実際に遺言を作成している所をビデオに残しておくとか、後に遺言の無効がトラブルになることを避けるひとつの工夫になると思う」
(2023年4月27日放送「news zero」より)

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