【独自】“迷惑ヤード”大量スクラップ 住民不安…地響き「まるで地震」近くに幼稚園(2023年4月26日)
外壁をはるかに超える高さに積み上った、危険なスクラップの山。千葉県袖ケ浦市の“スクラップヤード”です。市内には問題が指摘されているヤードが9カ所もあり、住民からは不安の声が上がっています。
■悪臭・水質汚染…何度も問題に
番組が取材に訪れたのは、東京から車でおよそ40分、千葉県袖ケ浦市。自然と工業地帯が共存するこの町で問題となっているのが…。
山のように積まれていたのは「再生資源物」。この場所は、それを屋外で保管する通称“スクラップヤード”です。
「再生資源物」とは、古紙や金属類などリサイクルが可能な資源物のことで、きちんと回収し再生すれば、地球にやさしい取り組みのはずなのですが…。
無造作に積まれた危険なスクラップの山。こうした危険なスクラップヤードに、住民は不安と憤りを隠せません。
スクラップヤードの100メートル先にある幼稚園の園長もその一人です。
袖ケ浦桜ケ丘幼稚園 神崎保園長:「見ていると、この辺(高いところ)から、放すんですよ。だからドーンと来るんですよ。それが重いもの・大きいものだと、地震みたいに地響き揺れます」
このスクラップヤードを管理する会社が運営する、市内の別のヤードでも…。
ヤードの近隣住民:「工場の“臭い”みたいな。(鼻を)ふさいでないとクサい。化学物質というか」「そこにU字講みたいなのがあって、水が流れていて、油が混じっていたんですよ」
時折ヤードから漂ってくるという“悪臭”をまとった煙や、ヤードから出た油による水質汚染が何度も問題になっていました。
■新条例を今月施行も…現状は?
こうした危険なスクラップヤードの苦情は市に150件も寄せられていて、市は運営会社に改善するように促しています。
そこで、番組スタッフが運営会社に連絡してみると…。
運営会社:「市と協議して改善する方向で今、うちのほうで動いています。今は前よりも高さを下げたんです。あとは騒音ですね。音が漏れていて、それを受けて外壁を作った」
すべてが完了しているわけではありませんが、徐々に改善を行っている最中だといいます。
こうした運営の動きもあるなか、「改善を促すことしかできない」状況を重く見た市は今月1日、新たな条例を施行しました。
既存のヤードに対して、6月末までに積み上げられたスクラップの高さを下げることや、悪臭、騒音、水質汚染に関する対策の実行などを求めたのです。
違反した場合、懲役や罰金などの罰則が科せられる可能性もあります。
しかし、条例が施行された後、番組が袖ケ浦市へ向かうと…。
条例では、スクラップの積み上げを高くても5メートルまでと定めていますが、並んでみると一目瞭然。仮に、身長約180センチの武隈光希アナウンサーの足元からスクラップが積んであるとすると、9メートル近い高さがあることになります。
すぐそばで盆栽店を営む夫婦は、次のように話します。
盆栽店の夫婦:「一時、塀にしてある鉄板が、歩道のほうに傾いてたんだよね。それを今年かな、修理やり直したみたい」
■従業員を取材 電話を渡され…
見るからに危険な状態。一体、中ではどんな作業が行われているのでしょうか?
中には、重機が4台ほどあります。そして敷地内屋根があるのですが、その屋根よりも高くスクラップが積み上げられているという状況です。働く従業員の様子も確認できます。
取材を続けていると、ヤードの直ぐ脇の歩道を歩く人の姿がありました。
先月、このヤードには、積まれたスクラップの高さを低く改善するように指示があったといいますが、改善があった報告は、市には入っていないといいます。
近隣住民が不安を覚えるなか、実際に働いている人はどう捉えているのか。話を聞いてきました。
対応したのは外国人の男性。話し掛けますが、通じません。
すると、男性は少し会話を交わすと、携帯電話を武隈アナに手渡しました。
電話の人物:「(Q.すみません。お電話代わりました、テレビ朝日の武隈と申します)もしもし」
電話に出た人物によると、このヤードで働くのは全員が中国人だといいます。
電話の人物:「(Q.担当者の方は、いらっしゃいますか?)いない。従業員しかいない。俺も今、忙しい」
およそ3分間にわたる電話の最後は、通話を切られました。
今回の取材で分かったのは、「スクラップの山を改善する予定はあるが詳細は不明」「これ以上のことを知る人は、従業員含め誰もいない」ということです。
(「グッド!モーニング」2023年4月26日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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