焦点は「殺傷能力ある武器の輸出緩和」“防衛装備移転”で与党が初協議(2023年4月25日)
1年以上、戦争が続くウクライナに対して、各国はミサイルや戦車など、強力な武器も提供して支援を行ってきました。日本が提供したのは、ヘルメットや防弾チョッキなど、殺傷能力のないものです。
こうしたなか、政府・与党は、防衛装備品の海外への移転について、運用の見直しの検討に入りました。焦点は、殺傷能力のある装備品の輸出を認めるかどうかです。
自民党・小野寺元防衛大臣:「昨年末、国家安全保障戦略ほか、防衛3文書で力をいただいたが、いくつか残された宿題がある。それが防衛装備移転の検討について」
公明党・佐藤外交安保調査会長:「大事なことは、戦後の我が国の平和国家としての歩みを堅持しつつ、我が国にとって望ましい安全保障環境をどう創出できるのか」
先の大戦への反省から、日本では長い間“武器輸出”が厳しく制約されてきました。
三木総理(1976年当時):「やはり『武器輸出三原則』があるわけです。できるだけ武器の輸出は抑えていこうという考えです」
三原則が大きく見直されたのは、安倍政権の時です。「防衛装備移転三原則」と名前を変え、紛争国への輸出を禁止する一方で、平和貢献や国際協力に資する場合は認めることになりました。ただ、目的は救難・輸送・警戒・監視・掃海の5つの場合に限られてきました。
今回、岸田政権は、国家安全保障戦略で、さらなる見直しを検討すると明記。その背景の1つには、衰退する国内の防衛産業を守ろうとする狙いもあるといいます。
岸田総理:「防衛装備品の海外への移転は、我が国にとって望ましい安全保障環境の創出や、国際法に違反する侵略を受けている国への支援などのための、重要な政策的な手段です」
政府からは…。
政府関係者:「今後、有事の時に、日本が援助してもらう立場になることもある。そんななかで、本当に今のルールでいいのか」
報道ステーションが行った世論調査では「殺傷能力のある武器の輸出を認めるべきか」と聞いたところ、「認めるべきでない」が65%という結果となりました。
25日の初会合では、これまでの武器輸出三原則からの歴史的経緯と、現状の説明を受けたといいます。
自民党からは、来月の広島サミットまでに結論を出して、国際社会にアピールするべきだという声も出ていますが…。
公明党・山口代表:「G7までに結論を急ごうといっても、それは事実上、難しいのではないか。これまでのルールの形成過程をみても、内外の受け止めをみても、仮にどこかを変更するにしても、理解を十分得ながら、短期間で結論を出すのは、かなり困難だろうと思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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