「月をステップに火星へ」過熱する世界の“月探査”競争 まもなく月面着陸へ(2023年4月25日)

「月をステップに火星へ」過熱する世界の“月探査”競争 まもなく月面着陸へ(2023年4月25日)

「月をステップに火星へ」過熱する世界の“月探査”競争 まもなく月面着陸へ(2023年4月25日)

日本のベンチャー企業が開発した月着陸船が26日未明、月面着陸に挑みます。

今回の打ち上げロケットは、アメリカの『スペーX社』製。着陸船は、日本のベンチャー企業『ispace』が手掛けました。世界初となる民間の力を結集した月面着陸に挑みます。

その行程は、まさに急がば回れ。一旦は、地球から約140万キロも遠ざかりました。燃料を極力節約するためで、そこから太陽の重力を利用して、月に近寄ります。

4カ月半の旅を経て臨む最大の難所が着陸。ガスを噴射しながら姿勢を制御し、月の北半球にある“氷の海”の近くに降り立つ予定です。
ispace・袴田武史CEO:「我々ispaceとしては、人間が宇宙で生活圏を築けるような時代になってほしい。そのためには、月の資源を活用していくのが第一歩。特に“月の水”を活用して、資源を中心とした経済を作っていく」

人類が月を目指し、はや半世紀。近年、水の存在が取り沙汰されるようになり、2019年には、イスラエルの民間団体が着陸を試みたものの、月面に衝突して失敗。その翌年、中国は、月の石などを持ち帰ることに成功しました。

過熱する月探査をめぐる競争は、今回、着陸船に積み込まれた荷物からもうかがえます。日本企業が開発した固体電池や、変形する小型ロボットのほかに、海外のものもあります。カナダ企業のカメラや、フライトコンピューター、そして、月面探査ローバーは、UAE政府の宇宙機関のものです。

このローバーの開発に協力したのが東北大学の吉田教授です。
東北大学・吉田和哉教授:「ずっと願ってきたことが、ついに実現できる瞬間が迫っている。本当にワクワクしている」

月面着陸に成功したら、すぐにドバイに向かって、ローバーのコントロールを見守るそうです。
東北大学・吉田和哉教授:「(Q.なぜUAEの探査車が載ることに)実は、UAEも宇宙ビジネスも興味を持ってくれている。ゆくゆくは月をステップにして、火星に行きたいと大きなビジョンを持っている。何年か前に(UAEから)東北大学に見学に来てくれて『この技術を、ぜひ協力してアドバイスしてほしい』と言われ、そのとき以来、お付き合い。競争が起こるということは、とても良いこと。お互い、切磋琢磨して技術は伸びていく」

ispaceの挑戦は、次を見据えた最初の一歩でもあります。来年も、月面を走るローバーを送り込む計画で、2年後には、月に荷物を輸送するサービスをNASA=アメリカ航空宇宙局に提供する予定です。こうした計画で、合わせて約100億円の売り上げを見込んでいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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