“新規感染者数”実態と乖離?集計システム使わず・・・FAXを使う理由とは(2022年2月10日)

“新規感染者数”実態と乖離?集計システム使わず・・・FAXを使う理由とは(2022年2月10日)

“新規感染者数”実態と乖離?集計システム使わず・・・FAXを使う理由とは(2022年2月10日)

東京で10日に確認された新型コロナ感染者は1万8891人と、2日連続で前の週を下回りました。一方で、自治体が発表する新規感染者数は、実態と乖離(かいり)している可能性が指摘されています。

厚労省アドバイザリーボード・脇田隆字座長:「感染者数の報告の遅れや検査のひっ迫などによって、公表データが実態と乖離している可能性が指摘されている」

その理由の一つとして上げられるのが、保健所での集計業務のひっ迫です。

今、新規の感染者数は、国の情報共有システム『HER-SYS』によって取りまとめられています。医療機関が、感染者の氏名や症状、基礎疾患の有無などの情報を『HER-SYS』に入力。それを保健所がまとめ、自治体や厚労省と共有する仕組みです。

しかし、医療機関のなかには『HER-SYS』を利用せず、紙で発生届をFAXしているところも少なくありません。

小林国際クリニック・小林米幸院長:「とてもじゃないけど、診療しながら『HER-SYS』を使って、タイムラグがないようにしながら送るのは基本的にできない」

この病院では今、平均で一日に25人ほど、陽性者が確認されています。業務の合間に“手書き”で記入しているといいますが、なぜ『HER-SYS』を使わないのでしょうか。

小林国際クリニック・小林米幸院長:「仕事でパソコンを使っているので、仕事の最中『HER-SYS』に登録するためにパソコンを使っていると、他の仕事ができなくなる。患者さん、きょうの雪の中で43人が発熱して検査を受けにきた。具合悪い人が待っている。病気が悪くなったら何の意味もない。それを考えたら手書きしか方法はない」

首都圏の保健所は、医療機関側の事情を汲みつつも、窮状を語ってくれました。

千葉市保健所:「なんと書いてあるか判別に迷うものがある。医療機関に問い合わせるのが余計に時間がかかってしまう」

神奈川・相模原市保健所:「夜中に発生届を書く医師が大勢いる。中には夜中の2時、3時に送られてくるものも。朝、保健所に来るとFAXの紙の山」

一方、負担を減らすために、先月から“専門部署”を新たに立ち上げた自治体もあります。

名古屋市新型コロナ感染症対策室・小田和志企画係長:「遅れもなく、しっかりとやれております」

名古屋市ではまず、各地区の保健センターに届いた発生届をデータ化します。そのデータを共有できるようにして、『患者管理事務サポートセンター』が中心となり、『HER-SYS』への入力業務を担っています。

名古屋市新型コロナ感染症対策室・小田和志企画係長:「現場の保健センターの職員は、健康観察・ファーストタッチをやっていく。それ以外の事務的な仕事は集約化する」

9日は2400件ほどの発生届があり、その半分近くが、FAXでしたが、集計は無事に終えられました。

名古屋市新型コロナ感染症対策室・小田和志企画係長:「今回のまん延防止の延長や、緊急事態宣言の判断の大きな材料に、その時の新規陽性者数は影響。コロナ対策に非常に大きな意味」

何とかこなす自治体もあれば、そうでない自治体も。大阪市では8日、9200人分のデータ入力の遅れがあったと発表しました。

新型コロナ担当・山際大臣:「忙しいなかでやっているわけだから、リアルタイムでデータがそろうことが100%できないことは承知。1つ1つが完全に正しいデータであるかどうかは別にして、全体として物事を考える時には総合的に判断はできる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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