子ハマグリ「ゼンナ」密漁 開き直り「違法承知で」…サーファーも波乗りの合間に【もっと知りたい!】(2023年4月21日)

子ハマグリ「ゼンナ」密漁 開き直り「違法承知で」…サーファーも波乗りの合間に【もっと知りたい!】(2023年4月21日)

子ハマグリ「ゼンナ」密漁 開き直り「違法承知で」…サーファーも波乗りの合間に【もっと知りたい!】(2023年4月21日)

 数が減少し、10年前の2倍ほどに価格が高騰するハマグリ。千葉県沿岸では、成長途中のハマグリ「ゼンナ」の密漁が相次ぎ、問題になっています。

■禁止区域で 「1キロあるかな」熊手でごっそり

 千葉県・九十九里浜の海岸には、サーフィンをしている人がたくさんいる一方で、貝を拾っているように思える人も見られます。

 波打ち際にウェットスーツを着て立つ男女。おもむろに手を海の中に突っ込み何かを拾います。

 熊手を使い大胆に探す女性。その目的は、ハマグリの潮干狩りです。

 女性:「1キロくらいあるかな」「(Q.全部同じ貝?)そう」「(Q.熊手で?)これは使っちゃいけない」

 しかしここは、許可なしで貝をとることが許されない区域。勝手にとることは「密漁」にあたります。

■去年も…“大量ハマグリ”軽トラで持ち帰る

 焼いても、煮てもおいしい春の味覚「ハマグリ」。しかし、潮干狩りが禁止されている場所での密漁が、あとを絶ちません。番組では去年も…。

 ハマグリをとることが禁止されているエリアですが、多くの人が潮干狩りをしていました。

 茨城県大洗町では、資源保護のため潮干狩りの可能なエリアが限られていますが…。

 潮干狩りする人:「(Q.ここ、とっちゃいけないエリアなんですが)とってダメなエリア?あ~そう。毎年よ、ここに来てるの」

 全く悪びれる様子もなく、台車のハマグリを軽トラックに。相当な量です。

 潮干狩りする人:「だってお金払ってあたしたち入っているんだよ?駐車場で。1000円払っているんだよ?」

 「駐車場代を支払えば問題ない」と主張し、海に返すことなく、すべて持ち帰ってしまいました。

 大洗町では海上保安庁や警察、地元の漁協が連携してパトロールを実施。実際に検挙された密漁者もいました。

 密漁者:「(Q.(道具を)使ってはいけないの知ってた?)それは最初は分かりませんでした。保安官に言われてからです」

■指摘するも…開き直り「違法承知でやっています」

 千葉県の九十九里では、全域でハマグリなどの貝類を許可なくとることが禁じられています。

 今年も潮干狩りのシーズンを迎え、19日も多くの人の姿がありました。

 右手に持った熊手を砂地にはわせ、潮干狩りをする女性。波が押し寄せてもお構いなしです。海から上がってきた女性を直撃。浜に椅子を置き、落ち着いて取材に応じました。

 女性:「(Q.何をとってる?)ゼンナ」

 女性がとっていたのは、ハマグリが大きく成長する前の「ゼンナ」と呼ばれる貝です。

 女性:「(Q.熊手で?)これは使っちゃいけない。基本的にはとってはいけない」「(Q.貝をとってはいけない?)そうそうそう。貝自体をもうとっちゃいけない。ましてや熊手、こういうのを使ってはいけない。それを承知でやっています。楽しみがないから、年寄りの」

 番組は貝をとってはいけないと指摘しますが、女性は密漁だということを承知でハマグリをとっているということです。

 女性:「1キロくらいあるかな」「(Q.全部同じ貝?)そう」「(Q.とった貝はどうする?)これは人にあげちゃうの。私とるのが楽しいの。だから自分では食べなくて、みんなあげちゃう」「(Q.自分で食べたことは?)前はあります。でも今は全然食べてない。みんなあげちゃう。とるのが楽しくてね」

 完全に開き直っている女性は、悪びれることなくすべて持って帰っていきました。

■サーファーも…波乗りの合間に“容器ギッシリ”

 さらに、こんな人もいました。

 ウェットスーツを着た男女の2人組。容器の中には、貝がぎっしり入っています。

 サーファー:「サーフィンやっておりると、足に貝が当たるんです。それをこうやってとって。今終わって、またサーフィンやりに」

 サーフィンの合間に貝を採っているというのです。

 九十九里漁協は、今後も密漁者の取り締まりを行うとしています。

■九十九里がハマグリ守る“カギ”

 ハマグリをはじめ貝類の資源量は日本全体で減っていて、市場価格も10年前の2倍にまで高騰しています。

 しかし、3年前にはこんなことも…。海岸線およそ10キロにわたってハマグリが打ち上げられる前代未聞の事態となりました。

 専門家は、九十九里がハマグリを守るための鍵だと話します。

 福井県立大学 海洋生物資源学部・浜口昌巳教授:「日本国中で二枚貝資源が激減している中で、九十九里はチョウセンハマグリが増えているのは奇跡」「(Q.ゼンナ(子ハマグリ)をとることは今後にも影響がある?)(ハマグリの大きさ)15ミリ以上から密漁の影響が出てくるが、この(大きさの)時期は浅場(あさば)にハマグリが集まる時期。そこでとられると資源量として大きく減る要因になる」

(「グッド!モーニング」2023年4月21日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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