松井市長「条例出すならもっと早くに」IR賛否問う住民投票条例案が大阪市議会で否決(2022年2月10日)
大阪府と大阪市が南港の夢洲で開業を目指すIR(カジノを含む統合型リゾート)について、自民党市議団が市議会に提出した住民投票実施のための条例案が否決されました。
IRについて国は、今年4月28日までに正式に立候補するかどうか決めるよう求めています。大阪では、2月に始まる大阪府・大阪市それぞれの議会で国に提出する区域整備計画の議決が行われる予定ですが、決して順風満帆ではありません。
1970年代にごみの処分場として埋め立てが始まった夢洲。大阪市は去年12月、IR予定地の土壌汚染対策や地中埋設物の撤去などとして、新たに790億円の費用がかかると明らかにしました。この費用について大阪市の松井一郎市長は市が負担する方針を示しました。
(大阪市 松井一郎市長 去年)
「その土地を貸すわけだから、貸す土地を安全で安心な土地にするのは当たり前でしょう。地主として。ましてや我々は行政なんだから」
これには1月に行われた住民への説明会でも疑問の声が相次ぎました。
(住民説明会で意見を言う人)
「大阪の一般会計等々についての圧迫や将来的な収支見通しもありません。市民はカジノによって本当に市民生活が圧迫される可能性がでかいと思っているわけです」
「土壌改良のために790億円が増加されると。こういうリスクについてはいかに考えているのか?」
(担当者)
「収支見込みを港湾局でも算出をしておりまして、資金不足は生じないという結果になっています」
そして自民党市議団も「民意を問うべき」として、住民投票実施のための条例案を2月10日の市議会に提出しました。しかし維新と公明が反対して否決されました。
(大阪市 松井一郎市長)
「あの条例出すならもっと早くに。夢洲をエンタメの拠点としたいと、その時から我々IRと言っているんだから、その時にああいう意見を出せば良かったじゃない」
一方、条例案を出した自民党は…。
(自民党大阪市会議員団 北野妙子幹事長)
「ごく短期間の間に市民の皆さんからずいぶん陳情書が寄せられまして、市民の皆さんが声を上げてくださったことが無駄になったということで大変残念です」
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