【総理襲撃】“60m”先コンテナに穴 “爆発物のふた”聴衆通り抜けたか?(2023年4月19日)

【総理襲撃】“60m”先コンテナに穴 “爆発物のふた”聴衆通り抜けたか?(2023年4月19日)

【総理襲撃】“60m”先コンテナに穴 “爆発物のふた”聴衆通り抜けたか?(2023年4月19日)

 岸田総理に向けて爆発物が投げ込まれた事件で、現場から約60メートル離れたコンテナにできた穴から爆発物のふたのようなものが見つかったということです。

■“爆発物のふた”聴衆通り抜けたか?

 岸田総理に向け投げ込まれた爆発物。その威力はどれほどのものだったのか。その場で身柄を確保された木村隆二容疑者(24)。その左手には、銀色の筒状のものが握られていました。使用される前の、もう一つの爆発物とみられています。

 これまで爆発物の本体部分の筒は、爆発の衝撃で約40メートル離れた倉庫の壁にぶつかったとみられることが分かっていましたが、19日に新たに約60メートル離れたコンテナの壁に穴が開いていたことが分かりました。

 漁協関係者によりますと、この穴の中から銀色のふたのようなものが見つかったということです。本体部分の筒は倉庫の壁に、ふたのようなものはコンテナの壁にぶつかっていました。本体部分の筒が直撃したとみられるへこんだ倉庫の壁と、ふたのようなものがめり込んだコンテナの壁。これら爆発物の破片は集まっていた聴衆の上を通り抜けたのか。徐々に分かってきた状況から専門家は、こう推測します。

■24歳男が自作?爆発物の威力は

 銃器ジャーナリスト・津田哲也さん:「構造がパイプの両端をふさいだ形の爆弾になっている。本体のパイプは一体型の金属だから強度がある。ところが両側をつないでいる部分、接続部分が弱いとここが脱落しやすい。中で火薬が爆発して、ふたの片方が吹き飛んだ。そこから火薬の燃焼ガスが噴き出してロケット状に飛んでいったと考えられる」

 本来の爆発物であれば、筒状の本体自体が爆発することで殺傷能力が高くなりますが、今回は中の圧力に耐えきれず、片方のふたが外れてガスが噴き出し、そのエネルギーで筒状の本体などが飛んでいった可能性があるということです。ただ、爆発物のふたが外れたことで結果として被害が小さくなった可能性があるとみています。

 銃器ジャーナリスト・津田哲也さん:「爆弾全体が吹き飛んでいたら、その場で爆弾本体の破片などが飛散して人を殺傷する。ところが、ふた(が外れて)ガスが逃げてしまったので、その場での爆発の威力は軽減されてしまった。全体に飛散するのではなく、パイプを飛ばすところにエネルギーが使われた。だから被害が、たまたま少なかった。その場で爆弾が粉々に砕け散っていたら、破片だとか、仮に色んなものが仕込んであったらそれが飛散して、結構な負傷者が出たと思う」

 現場から複数のナットが見つかっていることについてはこう話します。

 銃器ジャーナリスト・津田哲也さん:「(爆発物の)中に故意に入れていたら殺傷能力を高めることを計算したことになるし、単にパーツだとそれは言い切れなくなる」

 自作した可能性のある爆発物。木村容疑者は一体、どんな威力を期待し、何を目的に爆発物を投げたのか。警察は爆発物の威力や殺傷能力の程度などについて調べています。

■選挙制度めぐり SNSで書き込み

 依然、黙秘を続けている木村容疑者ですが、警察は木村容疑者のものとみられるツイッターアカウントを把握し、関連を調べていることが分かりました。このツイッターには安部元総理の国葬に言及し、岸田総理を名指しで批判する内容もありました。

 去年9月8日の投稿:「岸田首相も世襲3世ですが…民意を無視する人が政治家には通常なれません。世襲が蔓延(はびこ)る原因は…立候補するだけで300万円もの供託金を要求する違憲な公選法があるからです。庶民は立候補できず、民主主義は崩壊します」

 去年、行われた参議院選挙に立候補できなかったのは憲法違反だとして国を提訴していた木村容疑者。このツイッターアカウントは、提訴直後の去年6月27日に始まり、事件発生の4日前まで合わせて23件投稿されています。参議院選挙の立候補に必要な要件、年齢制限と供託金制度を批判しているほか、岸田総理への批判や不満もつづられています。

 その一つ、岸田総理が外国人留学生の受け入れを拡大させる方針とのニュースを引用したツイートでは。

 去年8月30日の投稿:「自国民より外国人を優遇する政治家は国賊と言います。このような政治家は本来、選挙で落とされます」

 警察はこのツイッターと事件との関連について調べています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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