【報ステ】新型“発射失敗”?北朝鮮ミサイル「レーダーから消失」Jアラートで混乱も(2023年4月13日)

【報ステ】新型“発射失敗”?北朝鮮ミサイル「レーダーから消失」Jアラートで混乱も(2023年4月13日)

【報ステ】新型“発射失敗”?北朝鮮ミサイル「レーダーから消失」Jアラートで混乱も(2023年4月13日)

13日朝に北朝鮮が発射したミサイルは初めて、陸地を含む日本の領域内に落下する可能性があるとして、Jアラートによる警戒が出されました。ただ、防衛省は、このミサイルが途中で「レーダーから消失した」と発表。はっきりした落下地点についても、分かっていません。

Jアラートは朝の通勤時間帯を直撃しました。北海道内の交通機関は一時、運転をストップ。地下鉄とJR合わせて6万5000人以上に影響が出る事態となりました。

しかし、Jアラートが出されてから20分を過ぎたころ、政府は「北海道やその周辺に落下する可能性はなくなった」と訂正しました。

ミサイルが発射されたのは午前7時22分のこと。落下の心配はないとされるまでの1時間の間に、何が起きていたのでしょうか。

松野官房長官:「探知の直後、北海道周辺に落下する可能性のあるものは、レーダーから消失していたが、限られた探知情報の中で、システムがそうした航跡を生成したため、国民の安全を最優先する観点から、Jアラートを発出したもの」

岸田総理:「Jアラートの役割を考えたならば、今回の判断は適切であったと、政府としては考えています」

政府が当初、把握していた探知情報は深刻なものでした。具体的な地名とともに、落下の可能性を伝えたのは今回が初めてです。今までのJアラートでは、ミサイルが発射されたことを伝え、避難を呼び掛けるのみでした。政府関係者によりますと、日本の領海のみならず、北海道の陸地に落下する恐れもあると推定していました。

防衛省・吉田圭秀統合幕僚長:「(Q.自衛隊として、我が国領域内への落下予測は今回が初めてか)そう認識しています」

小野寺元防衛大臣:「そのまま落下すると、日本に落ちるかもしれない。戦後初めてだよ、我が国領土がさ。防衛省発表でも、戦後初めて、我が国領土に落ちるかもという、今回のJアラートの話だった。そこをよく分析した方がいい」

ミサイル開発を着実に続ける北朝鮮。今回、新たな一歩を踏み出した可能性があります。韓国軍によりますと、ミサイルは平壌付近から発射。通常より高い角度で飛ばす“ロフテッド軌道”で約1000キロ飛行した末、日本海に落下したと推定されています。

韓国軍合同参謀本部:「高い角度で発射されたが、通常の発射なら射程は中距離級以上と推定しています」

韓国メディアによりますと、通常の角度で発射された場合、射程は5000キロほど。アメリカ本土に届く『火星15』や『火星17』の半分以下です。ただ、韓国軍関係者は、これまでとは違う新しい方式のミサイルの可能性があるとしています。

一つ浮上しているのが、固体燃料式のICBM(大陸間弾道ミサイル)の可能性です。2月の軍事パレードで公開されたこのミサイル。もし発射実験が行われたとすれば、初めてのこととなります。

どんなミサイルだったとしても、それは日本のレーダーから途中で見えない状態になっていました。防衛省は、高度が高かったためとしています。

防衛省幹部:「(Q.結局、ミサイルはどうなったか分からないんですか)分析中ということだけど、今出せてないということは、そういうことかと。レーダーから消えてしまうと、分析はかなり難しくなる」

防衛省・吉田圭秀統合幕僚長:「(Q.落下がないと判断。レーダーから消失しているなかで、どう判断)その後、我々もミサイルの弾着が予定の地域にあるかないか確認して、その旨を内閣官房に報告しました。その結果として、発令の解除がされたと認識している」

【高まる脅威 北朝鮮の狙いは】

東アジアの安全保障問題に詳しい、東京大学先端科学技術研究センター・山口亮特任助教に聞きました。

山口亮特任助教:「今回は通常と軌道が異なっている。固体燃料式ICBMの発射実験の失敗か。固体燃料は液体燃料と比べ、短時間でミサイルを発射可能で、奇襲攻撃ができる。北朝鮮はこれまで、短距離弾道ミサイルで固体燃料を使っていたが、ICBMで使えるようにすることで、様々な用途のミサイルをそろえるのが狙い」

(Q.失敗だとすれば、北朝鮮は開発につまづいているということになりますか)

山口亮特任助教:「1回目だとすれば、失敗は織り込み済みではないか。北朝鮮は“国防5カ年計画”で、固体燃料式ICBMの完成を掲げている。今年と来年に実験・訓練の回数が増えてくるのではないか。軍事的な脅威は一段階、高まったと考えられる」

【“飛行制限”日本のEEZ上空も】

一方、中国をめぐっても気になる動きがあります。中国政府が16日に、台湾周辺の上空に飛行制限区域を設定したことについて、松野官房長官は日本のEEZ(排他的経済水域)の上空が一部含まれることを明らかにしました。

中国政府は16日に「宇宙活動」を理由に、台湾北部の沖合上空に飛行制限区域を設定し、日本政府などに通知しました。中国当局は、ロケットの残骸が落下する恐れがあるなどとしています。

松野長官は、区域の設定は16日の午前10時半から27分間だと明らかにし、日本のEEZの上空の一部が含まれていると説明しました。松野長官は「中国側に説明を求めた。引き続き状況を注視し、航行の安全の確保に万全を期す」としています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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