文化財の盗難…管理者の苦労 8体中4体が盗まれた寺「人を信じることと危機管理は別」(2023年4月6日)

文化財の盗難…管理者の苦労 8体中4体が盗まれた寺「人を信じることと危機管理は別」(2023年4月6日)

文化財の盗難…管理者の苦労 8体中4体が盗まれた寺「人を信じることと危機管理は別」(2023年4月6日)

 5日、長野市の善光寺から、なでるとご利益があると伝えられている仏像が盗まれた。過去に、仏像4体を盗まれたというお寺を取材した。

■職業不詳の男逮捕「地震や事件が起きる」

 5日午前8時、長野市にある善光寺で、国宝に指定されている本堂にある「賓頭盧尊者像(びんずるそんじゃぞう)」が盗まれた。

 「びんずる尊者」は「体の悪い部分と同じ所をなでると治る」とされていて、300年以上も「なで仏」として多くの参拝者に触れられ、地元住民からも「びんずるさん」と呼ばれ、親しまれてきた。

 善光寺 林明晋寺務総長:「人員が手薄になるところを狙って、1人で抱えて持っていったようであります。気が付いて、すぐ警察に通報しました」

 防犯カメラには、不審な人物が「びんずる尊者」を持ち去る様子が映っていて、警察は盗難事件として捜査。善光寺から60キロ離れた松本市内で似た男を発見し、職務質問した。

 すると、男の車から毛布のようなもので包まれた「賓頭盧尊者像」が見付かった。

 窃盗の疑いで、熊本県に住む職業不詳・森本晋太郎容疑者(34)を逮捕した。

 捜査関係者によると、森本容疑者は「あんなものがあったら地震や事件が起きる」などと話しているという。

 参拝者:「ここ全然広いから、大丈夫なのかなと思ったら。本当にびっくりですね」

■対策取り組む寺の苦労…8体中4体盗まれる

 こういった仏像の窃盗事件は後を絶たない。埼玉県松伏町にある500年以上の歴史を持つお寺「妙楽寺」では…。

 真言宗豊山派 妙楽寺 南部憲雄住職:「(本堂から)少し離れたお堂なんですが、そのお堂にある仏像が4体、以前盗難に遭いました」

 このお堂があるのは、本堂から車でおよそ5分の場所だ。

 13年前、このお堂にある8体の仏像のうち4体が盗まれ、いまだに見つかっていないという。

 南部住職:「実は、普段は(仏像を)隠しています」「(Q.ここには置いていない?)普段、置いてないです」

 残りの4体は現在、檀家(だんか)らに預けているという。

 南部住職:「こちらのお寺自体は、普段誰も住んでおりません。地元の方が行事準備のために来たら、(仏像が)ないことに気が付いたという経緯です。当時、カギといえるようなカギではなかったと思います」

 妙楽寺では改修を機に、このお堂に鍵を取り付けたという。

 南部住職:「やはり人を信じるということと、危機管理をするというのは、別問題なのだと改めて感じました」

■後絶たない文化財の被害…管理者の苦労

 善行寺から盗まれた仏像は、その日のうちに見つかりましたが、所在不明の文化財は多くある。

 文化庁によると、国の指定文化財で所在が分からなくなっているものは、全国で140件ある。このうち盗難にあったことが判明しているものは28件だ。

 こうした文化財が、どのような意図で盗まれたか不明だが、おととし、京都市内の寺から盗まれた仏像が、その後インターネットのオークションに出品されているのが分かり、無職の男が逮捕されるという事件があった。

 逮捕された男は当時、警察の取り調べに対し、「生活費にするために仏像を売った」と供述していた。

 実は、文化財を管理するには多くの苦労があるという。

 取材した仏像の盗難に遭った埼玉県松伏町の妙楽寺には、町指定の有形民俗文化財の石塔が4つある。この石塔4つ分の維持・管理の費用として、町から年間1万5000円が支給されているという。

 ただ住職の南部さんは「指定文化財でないもののほうが多く、それらの管理費用はすべて自己負担。仏像などの場合、防犯対策や補修作業に多くの費用が必要になる」と話していた。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年4月6日放送分より)
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