【独自】極秘施設「警視庁科捜研」へ 一日100件鑑定…DNA鑑定の精度「565京人に1人」(2023年4月5日)

【独自】極秘施設「警視庁科捜研」へ 一日100件鑑定…DNA鑑定の精度「565京人に1人」(2023年4月5日)

【独自】極秘施設「警視庁科捜研」へ 一日100件鑑定…DNA鑑定の精度「565京人に1人」(2023年4月5日)

 謎のベールに包まれる警視庁の科学捜査研究所、通称「科捜研」。特別に取材許可を得て、めったに見ることができない科学捜査の最前線を体験してきました。

■極秘施設へ 研究員「ドラマみたいに活躍したい」

 今回取材するのは、東京・霞が関にある警視庁。およそ4万6000人の警察職員が所属し、首都・東京を守っています。

 その警視庁の中で、最新の科学技術を活用し、事件を解決に導くのが科捜研です。

 斎藤ちはるアナウンサーがやってきたのは、警視庁が場所すら明らかにしていない極秘施設です。

 白衣に身を包んだ、リアル科捜研のメンバーを発見しました。

 斎藤アナ:「この中で、ドラマ『科捜研の女』に憧れて入った人は?(17人中5人が挙手)」「結構いらっしゃるんですね!どんな部分を見て?」

 科捜研の研究員:「科学の力で犯罪を解決していく姿に憧れました」

 科捜研の研究員:「自分も微力ながら力になれたらと思い、ドラマ『科捜研の女』みたいに私も活躍していきたい」

■吸い殻でDNA鑑定 精度は“565「京」人に1人”

 過去、いくつもの大事件の糸口をつかんできた科捜研。

 1995年、地下鉄の車両内で、化学兵器としても使われる神経ガス「サリン」が散布された、地下鉄サリン事件では、サリンの成分分析を担い、犯行グループの特定に大きく貢献しました。

 東京・調布市の小型航空機墜落事故では、現場の3Dモデルを再現。事故原因を突き止めました。

 法科学のエキスパートたちは一体、どんな科学捜査を行っているのでしょうか?

 科捜研の研究員:「(Q.どんな作業をされている?)(証拠)資料のたばこの吸い口に付いている唾液や唇の細胞ですね。DNAを取り出すため、吸い口部を切り出し、抽出の準備をしている」

 こちらで行われているのは、DNAの抽出。犯行現場に残されたたばこから、吸った人物を特定することができるのです。その精度は…?

 科捜研の研究員:「計算すると、565京人に1人」

 なんと、万、億、兆を超え、565「京」人に1人という、極めて高い精度で個人を特定できるというのです。

 科捜研の研究員:「個人識別能力はすごく上がっていますね。DNAがとれさえすれば、捜査に大活躍すると思います」

■「1→4」領収証の数字偽造 瞬時に見破り

 次に訪ねたのは、文書鑑定のエキスパートです。

 科捜研の研究員:「自殺した方の遺書が、本当に自身で書いた文字なのか、家族が書いたのではないかなど、そういう疑いがあった場合、遺書の鑑定もしています」

 手書き文書の鑑定だけでなく、偽札や偽造された領収書なども見抜くことができるということで…。

 科捜研の研究員:「この数字に文字を書き足して、別の数字に変えてみてください」

 手渡されたのは、100万円の領収書。ボールペンで数字を書き足しても見抜くことができるというのです。

 斎藤アナ:「100万円を400万円に変えていきます」

 斎藤アナが書き足した偽造領収書。最新鋭の機器にかけると、書き足した部分が消失し、400が100になりました。

 科捜研の研究員:「(Q.消えましたね!)ペンのインクの種類によっては、はっきりと識別することができます」

 400万円と書き足した領収書の正体があらわれました。この最新鋭の機器で領収書に紫外線など様々な光を照射すると、インクの種類や書いた時期も分かるのです。

 科捜研の研究員:「同じ種類のペンであっても、見極めることができる」

 この技術は、実際の詐欺事件などの捜査にも生かされています。

■“残った化粧品”“服の繊維”から犯人特定も

 こちらで行われているのは、化学分析です。この機器は、分析したい物に電子線という放射線の一種をあて、元素単位から解き明かす精密機械です。

 被害者と犯人がもみ合いになるような事件では、犯人についた化粧品や服の繊維の特定に活躍します。

 用意されたのは、2つのチーク。パッと見て色の違いは分かりませんが、解析機にかけると、細かな粒の大きさや形に違いが!全く違う成分であることが分かるのです。

 幅広い科学捜査の手法を持つ科捜研。仕事の量は膨大です。

■“一日100件鑑定” ボルダリングで結束

 そんななか、科捜研のメンバーが休日に取り組んでいるのが、なんと「ボルダリング」です。

 数年前から職員の間で流行。リフレッシュできて、チームワークが育まれると好評で、盛んに行われているのだそうです。

 取材の中で、DNA型鑑定をしていた女性研究員も、まるで別人のように、壁をよじ登っていきます。

 科捜研の研究員:「体力がつく、緊急の鑑定もあるので、体力は大事。あとは、集中力がついたと思います。自分の自信にもつながる。少しずつ難しい課題をクリアしていくと、少しずつ自信もついて、ますます楽しくなってリフレッシュにもなる」

 警視庁 科学捜査研究所・四郎園文明所長(当時):「年間約5万件の鑑定嘱託が来ていますので、一日約100件以上の(鑑定)嘱託を受けている。チームワークよく一致団結して、これからも困難な鑑定に挑み、そして解明していきたいと思っています」

(「グッド!モーニング」2023年4月5日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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