「下水」を調べて新型コロナの感染動向を分析…塩野義製薬と島津製作所が新会社を設立(2022年2月8日)

「下水」を調べて新型コロナの感染動向を分析…塩野義製薬と島津製作所が新会社を設立(2022年2月8日)

「下水」を調べて新型コロナの感染動向を分析…塩野義製薬と島津製作所が新会社を設立(2022年2月8日)

大阪の製薬大手・塩野義製薬と京都の精密機器メーカー・島津製作所が、下水を調べて新型コロナウイルスなどの感染症の動向を分析する新会社を設立すると発表しました。

 塩野義製薬と島津製作所が新しく設立したのは、下水を用いたPCR検査などを行う新会社です。新型コロナウイルスは人の排泄物にも含まれるため、下水を調べることでその周辺に感染者がいるかどうかわかります。去年10月から島津製作所のグループ会社とともに下水を調査している大阪府貝塚市は、検査結果を毎週HPで公表しています。オミクロン株の感染が拡大した今年1月12日以降は「陽性」が続いていて、感染の急拡大と連動していることがわかります。

 政府分科会の尾身茂会長も、発症前にウイルスの検出が可能となるため、地域の感染拡大の予兆をつかむ技術として注目しています。

 (政府コロナ対策分科会 尾身茂会長 去年6月)
 「ある地域の新規感染者がぐっと上がる前に下水の方が先に探知できるので、早く対応ができる」

 2社はこれまで別々に下水のPCR検査を開始し、去年には業務提携をして検査を進めてきましたが、新会社の設立で、感染症分析(塩野義製薬)と分析装置の製品化(島津製作所)というお互いの強みをいかしたビジネスを展開したいとしています。

 (島津製作所 上田輝久社長)
 「共同開発とか共同研究という形でやってしまうと、ちょっとした成果がアウトプットみたいな感じで終わってしまう。そうではなくて、これは重要なものなんだと。単にお金儲けしようということではなくて、価値が高いことをやればそれなりに後で収益はついてくると考えています」

 一方、2月7日に塩野義製薬は開発中の新型コロナウイルスの飲み薬について、ウイルスの排出を減らす効果があるとの臨床結果を発表しました。

 (岸田文雄首相 2月7日)
 「臨床試験で安全性、そして有効性が示された場合には、条件付き承認制度も含めて、あらゆる手法の活用を視野に迅速に審査を行ってまいりたいと考えております」

 岸田首相は2月7日の国会で、治験完了前に実用化を認める「条件付き早期承認制度」の適用を検討すると表明。この適用が決まれば、塩野義製薬は早ければ来週にも承認申請をする可能性があるとしています。

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