【「保津川下り」転覆事故】“船に無線なし” 安全管理に問題は?

【「保津川下り」転覆事故】“船に無線なし” 安全管理に問題は?

【「保津川下り」転覆事故】“船に無線なし” 安全管理に問題は?

京都の保津川で起きた転覆事故。行方不明となっていた船頭とみられる男性の遺体が30日、事故現場の500メートルほど下流で見つかりました。こうした中、いま指摘されているのが、船の安全管理についてです。船に無線がなく、通報まで時間がかかったということです。

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28日、京都府亀岡市で「保津川下り」の観光船が転覆する事故がありました。事故があった船の後続船の乗客が撮影した映像には「人がいる、人がいる」と驚く声が…。楽しい雰囲気は、一変しました。

亡くなった船頭の田中三郎さん(51)について、保津川遊船企業組合・豊田知八代表理事は「愛くるしい、ぬいぐるみのような感じの非常に性格のいい方で、後輩にも先輩にも好かれる人でした」と語りました。

さらに、男性の船頭(40)が川に流され、行方がわからなくなっています。捜索が続けられる中、消防によると、30日午前11時前、事故現場の500メートルほど下流で男性の遺体が見つかりました。行方不明となっている船頭(40)とみられています。

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こうした中、いま指摘されているのが、船の安全管理についてです。

豊田代表理事は29日の会見で、「転覆した船には無線は載っていなかった」と述べました。船に無線がなく、通報まで時間がかかったというのです。

組合によると、転覆した船が出発したのは28日午前10時40分。直後にもう1隻、観光船が出発しました。しかし、どちらも無線は搭載していなかったといいます。無線を載せていたのは、その前後に出発した船。(※10:35発と10:50分発)

事故は、午前11時頃に起きましたが、事故の連絡があったのは、2隻後ろの船が現場に到着した午前11時10分。さらに状況確認に時間がかかり、消防への通報は午前11時半。発生から約30分後だったのです。

保津川遊船企業組合・豊田知八代表理事(29日)
「保津峡の山の奥で使える無線機がない。無線機に関しては意識は持っておりましたが、有効な無線機がないかと探していました」

国土交通省のガイドラインでは、「全ての船に携帯電話や無線通信機を装備し連絡手段を確保する」とあります。※川下り船の安全対策ガイドライン(2013年策定)

しかし、無線機もなく、現場は携帯電話も圏外だったといいます。実は以前、全ての船に無線機を装備するよう近畿運輸局から指導を受けていたというのです。

埼玉県で川下りを行う事業者は、船に無線は不可欠だと話します。

長瀞舟下り連絡協議会事務局・杉山章さん
「業務中に船頭さんとの会話は必要不可欠。天候の状況・水位の状況・川の確認・船の点検の確認とか、常に連絡を取り合いますから」

長瀞の川下り船には、全て無線が搭載されているということです。国の運輸安全委員会は、事故現場に出向き原因を調べています。
(2023年3月30日放送「news every.」より)

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