放送法の解釈めぐる文書 「行政文書」政府認める…高市大臣は辞職否定「内容不正確」【もっと知りたい!】(2023年3月8日)
放送法の解釈を巡る文書について、総務省が作成したことが明らかになった問題。高市早苗経済安保担当大臣は、自身に関わる部分は「捏造(ねつぞう)」という認識を改めて示し、辞職を否定しました。
■当時の総理補佐官「そうでもないのではないか」
松本剛明総務大臣:「すべて、総務省の『行政文書』であることが確認できました」
7日、総務省が公開した78枚にも及ぶ行政文書。その多くには、「取扱厳重注意」の文字もありました。
文書に記されているのは、安倍政権下の2014年から2015年にかけて、当時の礒崎陽輔総理補佐官が、放送法の「政治的公平」について、総務省に対して行ったとされる働き掛けです。
放送法4条にある「政治的公平」について、政府は長く「一つの番組ではなく、放送事業者の番組全体を見て判断する」と解釈してきました。
2014年11月28日、総理官邸に総務省の官僚を呼んだ礒崎氏は、この解釈について、疑問を呈したといいます。
礒崎総理補佐官(当時):「長年にわたり積み上げてきた、放送法の解釈をおかしいというつもりもない。他方、この解釈がすべての場合を言い尽くしているかというと、そうでもないのではないかというのが自分の問題意識」「一つの番組でも、明らかにおかしい場合があるのではないか」
同じ時期、自身のSNSでも…。
礒崎総理補佐官(当時)のツイッターから:「仲良しグループだけが集まって政治的に好き放題言うような番組が、放送上許されるはずがありません。今の立場では余り動けませんが、黙って見過ごすわけにはいきません」
■当時の総理補佐官「俺と総理が2人で決める」
文書によると、総務省側と、3カ月の間に9回面会していたという礒崎氏。
総務省の局長が、総理に解釈の変更について話をする前に、当時の菅義偉官房長官に話を通してはどうかと、進言したことがあったとも書かれています。すると…。
礒崎総理補佐官(当時):「何を言っているのか分かっているのか。これは高度に政治的な話。この件は、俺と総理が2人で決める話」「俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ。首が飛ぶぞ」
この日の出来事について、礒崎氏は「役人が法解釈ではなく、官邸での手続きにまで口を挟んできたので、不適切な言葉を使ってしまったかもしれない」と説明しています。
■専門家「メディアをコントロール下に置きたいと」
文書によると、磯崎氏の一連の行動に対し、総務省出身の総理秘書官からは、懸念の声も上がったようです。
山田真貴子総理秘書官(当時):「どこのメディアも委縮するだろう。言論弾圧ではないか」
当時の高市総務大臣も…。
高市総務大臣(当時):「本当にやるの?民放と全面戦争になるのではないか」
一方、文書によると、当時の安倍総理は、解釈の変更には、前向きな姿勢を見せていたといいます。
2015年5月、高市総務大臣は国会で、こう答弁していました。
高市総務大臣(当時):「1つの番組のみでも、国論を二分するような政治課題について、“不偏不党の立場から明らかに逸脱と認められる”といった極端な場合は、一般論として“政治的に公平確保”とは認められないと考える」
ジャーナリスト・白鴎大学名誉教授 後藤謙次氏:「この放送法4条によって、色んな各局が自由に番組を作っていた。政権に対して、けんかを売るような場面もあると。それはメディアですから、当然のことなんですが。メディアを自分たちのコントロール下に置きたいと」
■高市大臣「内容が不正確」 総務大臣「引き続き精査」
しかし、高市大臣は、当初この文書について…。
高市大臣:「全くそれは捏造文書だと、私は考えております」
立憲民主党・小西洋之議員:「仮にこれが捏造でなければ、大臣、そして議員を辞職するということでよろしいですね」
高市大臣:「結構ですよ」
7日も…。
高市大臣:「私に関しての部分は4枚。4枚とも拝見しましたが、“作成者が書いていない”“日時が特定できていない”“内容が不正確”。私は、これは不正確であると理解を致しております」
松本総務大臣も、一部について、正確性が確認できないものがあるとして記載内容を精査するとしています。
(「グッド!モーニング」2023年3月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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