【H3打ち上げ失敗】苦渋の「指令破壊」…判断の舞台裏(2023年3月7日)

【H3打ち上げ失敗】苦渋の「指令破壊」…判断の舞台裏(2023年3月7日)

【H3打ち上げ失敗】苦渋の「指令破壊」…判断の舞台裏(2023年3月7日)

 日本の新たな主力ロケット、H3ロケット初号機。今回は無事に打ち上げられたかに見えましたが、2段目エンジンへの着火が確認されず失敗となりました。JAXA(宇宙航空研究開発機構)は安全上の観点から指令破壊したと会見で明らかにしました。

■歓声上がるも…新型ロケット「H3」 再挑戦も失敗

 「今回こそは…」と、新型ロケット発射を心待ちにしていました。

 大阪から来た人:「ロケットが打ち上がってほしいです。ワクワクしています」
 鹿児島・霧島市から来た人:「技術者の方の苦労はひしひしと伝わってきます。前回の岡田(匡史)さんでしたっけ、あの涙も分ります。悔しいのは。前回の悔し涙を喜びの涙に変えてもらいたいですね」

 ロケットが種子島の青空へ浮かび上がる様子に歓声も沸き起こりました。「H3」開発にバネの製造で携わった工場でも発射した映像を見守り、万感の思い…。ところが、ロケット打ち上げを実況中継していたJAXA(宇宙航空研究開発機構)の解説者がこの後、異変に気付きます。

 解説者:「だいたい予定通りの高度を飛んでいるように見えます。あとは速度が…あっ、なんか落ちていっていますね、速度」

 そのころ、種子島宇宙センターでも慌ただしい動きが。

 館内アナウンス:「現在、2段の点火が確認されておりません。引き続き、状況を確認中です」

 宇宙センターから打ち上げられた後、地球観測衛星「だいち3号」を載せたロケットはエンジンなどを切り離して機体を軽くし、より高度を上げていきます。しかし、2段目のエンジンが点火せず、JAXAはミッションを達成する見込みがないとして「指令破壊」の信号を出しました。

 JAXA・布野泰広理事:「現時点では(第2段)エンジン自体に着火しなかった事実しか分かっていない」

 失敗の報が届き、一転して落胆の声が上がりました。

 アナウンス:「ロケットはミッションを達成する見込みがないとの判断から、『指令破壊』信号を送信しました」

 山口から来た見学者:「すごくうれしい気持ちでいっぱいだったのが、なんとも言えない無念というか、悔しい…涙が出てきそうになりました」

 「打ち上げ成功」を見込んで作ったボードも部屋の隅へ。

 JAXAプロジェクトマネージャー・岡田匡史さん:「まずはきょうの失敗の原因を究明して、早くH3の飛び立つ姿をみてもらいたいと思っています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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