インド記者「戦争は反対だが中立的な立場」カギ握る“グローバルサウス”の本音(2023年5月19日)

インド記者「戦争は反対だが中立的な立場」カギ握る“グローバルサウス”の本音(2023年5月19日)

インド記者「戦争は反対だが中立的な立場」カギ握る“グローバルサウス”の本音(2023年5月19日)

ウクライナのゼレンスキー大統領の電撃来日について、世界のメディアはどう見ているのでしょうか。

ゼレンスキー大統領の来日には、大きな注目点があります。“ロシア寄り”ともいえる国のトップに、直接、会えるかもしれないことです。それがG7に招待されているインド、ブラジル、インドネシア、ベトナムの4カ国。グローバルサウスと呼ばれる新興国・途上国の中で、ロシアに対する経済制裁に非協力的な国です。

そのリーダー格が今年のG20議長国であるインド。エネルギー高騰に苦しみながら制裁を続ける各国をよそに、割安になったロシア産の原油を大量に買っています。

『新興国がロシアの制裁逃れに利用されている現状を変えなければ、この戦争は終わらない』。ゼレンスキー大統領の来日は、そんなメッセージを、直接、訴える機会になるかもしれません。

インドメディア『WION』は、「広島でウクライナとインドの首脳会談が決定」と報じました。率直に聞いてみました。
インドメディア『WION』シダーン・シバール上席特派員:「(Q.ゼレンスキー大統領の来日の目的はグローバルサウスとの対話とも言われている。グローバルサウスの国際社会での立場が重要になりつつある。どう評価する)グローバルサウスがどっちつかずなのは、G7ほど豊かでないからです。ゼレンスキー大統領が働きかけても中立的な立場は変わらないでしょう。なぜなら国によって優先事項や懸念は違います。ヨーロッパが懸念するのはウクライナ情勢でしょう。ウクライナには同情するし、戦争には誰も賛成しませんが、ほかの国の見解や、その経緯も考えるべきです。インドやインドネシアなどを大国は味方につけたいでしょうが、インドはエネルギーや食料など、何が得られるかを考えるのです。ゼレンスキー大統領に協力すれば、インドの重要度は増します。モディ首相との会談は、重大なイベントになるでしょう。インドはすでに世界で重要な役割を担っているのです」

同じくグローバルサウスのベトナムにも聞きました。
ベトナム国営放送のブィマィンフン東京支局長:「(Q.ゼレンスキー大統領がロシアを説得してほしいと言ってきたら)個人的な意見だが、できればベトナムは、日本を含めたG7各国に対し、対話的方法で、できればロシアとウクライナとの対話、あるいは面談を主催したほうがいい。この対話を通じて、ウクライナもロシアもG7の各国もある。できれば、それぞれ国の立場を調整して、これは良いか反対か。G7の各国が中心的な役割を果たしたらいいのでは」

ロシア、ウクライナ、そしてG7国の間にベトナムがたち、対話での解決方法を模索するべきという意見です。

重要なのは、こうした国から少しでも“ウクライナへの歩み寄り”を引き出せるかどうかです。そんな新興国と友好関係を築いてきたのが日本です。
岸田総理:「G7を越えた国際的なパートナーとの関与を強化することであり、この2点をG7として明確に打ち出したいと思います」

アメリカ・バイデン政権を取材している記者にこんな質問をしてみました。
CNNホワイトハウス担当のフィル・マッティングリー記者「(Q.サミットは ウクライナが反攻を備えた重要なタイミングで行われます。ウクライナとの連携をめぐり、このサミットの位置付けや重要性は)ゼレンスキー大統領の来日が重要性をすべて物語っています。G7同士も西側の民主主義国も、太平洋地域も互いに接近しています。昨年2月までは、ここまでの接近はあり得ないと考えられていました。ウクライナが反攻を控えたいまこそ 、支援の維持、強化が何より大切です。同時に自国内の支援の重要性を訴えることも重要です。少なくともバイデン大統領はそうです。ウクライナが反攻を控え、なぜ、いまが重要なのか。米当局は、反攻の結果が何らかの和平、解決策の基礎になると考えています」

フランスの主要メディアも同じ見解を示しました。
仏紙『ル・モンド』のフィリップ・メスメール東京特派員:「紛争の出口が多く取り沙汰されるなか、G7サミットはとても重要だと思います。ウクライナを支援する国家が広島に集結しているからです 。ここで出口戦略を議論しようとしている。(Q.当然ながら ウクライナ政府は、G7各国に期待を寄せていますが、一方で中国の後押しも期待していますよね)中国を交える必要はあるでしょう。中国は、和平プロセスに関わっています。私は、関係国がそろって、テーブルを囲み、紛争が終わる方法を見つけてほしいです。少なくとも犠牲となっているウクライナを納得させるよう方法です。同時にロシアに恥をかかせないこと。恥をかかせれば、代償を伴います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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