【東部バフムト陥落危機】ロシア軍が“包囲網”戦略的撤退の可能性は◆日曜スクープ◆(2023年3月5日)

【東部バフムト陥落危機】ロシア軍が“包囲網”戦略的撤退の可能性は◆日曜スクープ◆(2023年3月5日)

【東部バフムト陥落危機】ロシア軍が“包囲網”戦略的撤退の可能性は◆日曜スクープ◆(2023年3月5日)

 残酷極まりないロシアによる戦争犯罪の実態が明らかになる。戦争犯罪の調査を行う欧米で組織する「国際司法チーム」は2日、ウクライナ南部ヘルソン州に20カ所の拷問施設を確認し、ロシア政府が組織的に関与していたとする調査結果を公表した。同チームによると、拷問施設はロシア政府が直接、計画・出資し、連邦保安局(FSB)などが運営していたことが判明した。ウクライナ人を脅迫することで支配下に置くことが目的と見られる。軍事関係者、ジャーナリスト、教員などが監禁され、拷問は電気ショックや水責めなどの凄惨な内容で、その施設から400人以上が消息不明となっている。米CNNのインタビューに対して、拷問施設に11日間、収容されていたウクライナ人のイホル氏(29)は、電気ショックを与える銃で足を撃たれた経験を語り、「人々は拷問を受け、腕や足を棒で叩かれた」と当時の状況を訴えた。

 ウクライナ東部要衝バフムトは、陥落の危機に直面するなど戦闘は激しさを増している。ロシアが目的を達成すれば、ドネツク州の完全掌握に向けた大きな戦果となる。ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者・プリコジン氏は3日、東部ドネツク州にあるウクライナ側の拠点、バフムトをほぼ包囲したと主張した。ウクライナ大統領顧問のロドニャンスキー氏は「必要に応じてバフムトから撤退することが選択できる」と戦況を説明する。この状況に対し、ゼレンスキー大統領は「いま、敵を撃退することが今後、数カ月の防衛作戦を成功させるための条件だ」と述べ、徹底抗戦の姿勢を示した。米シンクタンク・戦争研究所の報告によると、東部バフムトは陥落危機の極めて厳しい状況にあると分析したうえで、市内北部のスタプキー駅で確認されたワグネル部隊の映像を公開した。ロシア側は市内北部から中心部に向けて進軍する。ウクライナ軍は、主要補給路と見られる橋を破壊するなど撤退の兆候を見せる一方で、逆に「領土防衛軍第241旅団」、「外国人部隊」など精鋭部隊を投入するなど抗戦の様相も呈している。

 ロシア政府は2日、ウクライナとの国境に接するロシア西部・ブリャンスク州に、武装したウクライナ人が国境を越えて侵入し、住民2人を殺害したと発表した。ウクライナ側はこの事実を否定した。ウクライナ侵攻に反発する「ロシア義勇軍」は同日、映像による犯行声明を発表した。同義勇軍の中心的な存在で、極右活動家のデニス・ニギティン氏は「ロシア国民により、鎖につながれたまま生きていく必要がないことを教えようとした」と犯行の動機を語った。一方、プーチン大統領は、今回の攻撃をテロと指弾し、「彼らは何も成し遂げられない。我々は彼らを粉砕する」と表明した。2月末から3月上旬にかけて、サンクトペテルブルク、モスクワ郊外のコロナムなどでロシア国内で攻撃の動きが確認されているほか、無人偵察機が爆発する事案が多発している。ロシアの国営通信社によると、首都モスクワから南東約100キロのコロムナで、2回の爆発があった。付近には、ロシア国有の施設であるミサイル・航空宇宙研究機関「DBMB」の本拠地がある。この施設では、極超音ミサイル「キンジャール」の設計と改良が行われている。米戦争研究所の調査データを基礎に最新の戦況を詳報・解説する。

★ゲスト:駒木明義(朝日新聞論説委員)、山添博史(防衛省防衛研究所)
★アンカー:橋本大二郎
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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