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「今後も災害で文化財失う可能性」 ミイラが物語る関東大震災百年(2023年3月4日)
今年は関東大震災から100年になります。当時メキシコから贈られた「ミイラ」の詳細が震災の混乱で分からなくなり、研究者は文化財の災害に対する備えを訴えています。
国立科学博物館人類研究部・坂上和弘グループ長:「関東大震災時の混乱に紛れて(一時)行方不明になっていました。残念ながらミイラそのものはありますが、どんな所で発見され、どんな方だったか(の情報)は失われているのが現状。色んな情報を集めて、また展示ができるようにしたいと考えています」
関東大震災で由来が分からなくなったのは、国立科学博物館にある通称「メキシコのミイラ」です。
博物館の記録によりますと、メキシコ政府から日本政府に贈られ、船で横浜港に到着した直後に関東大震災が起こったとみられています。
その後の混乱のなかで何者かに持ち出され、数年にわたって行方が分からなくなりました。
のちの調査で埼玉県の寺に奉納されていたことが分かり、昭和の初めには国立科学博物館で展示が始まりました。
ミイラは人の手を渡るなかで見世物にされ、傷んでいました。
顔はあごより上がすべてお面のように石膏(せっくう)のようなものが盛られるなど、修復された痕もみられるということです。
国立科学博物館人類研究部・坂上和弘グループ長:「(今後も災害で)文化財も混乱に巻き込まれ、損壊・散逸・壊れるなど影響を受ける可能性が極めて濃厚です。必ず起こりうることだと皆さんに訴えていく責務が我々にはあると思います」
坂上さんは12年前の東日本大震災の後に、津波などで傷ついた標本などの修復に関わりました。
その経験も踏まえ、「標本を将来に残していくため、収蔵品の情報をあらかじめ複数の研究者が共有するなどして災害に備える必要がある」と強調しました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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