市街地に“カラス大群1万羽” 住民悲鳴…秘策「だまくらカラス」で“半分ほど減少”【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年3月3日)

市街地に“カラス大群1万羽” 住民悲鳴…秘策「だまくらカラス」で“半分ほど減少”【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年3月3日)

市街地に“カラス大群1万羽” 住民悲鳴…秘策「だまくらカラス」で“半分ほど減少”【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年3月3日)

 佐賀市の中心部に現れたカラスの大群の映像です。1万羽以上で、住民が非常に迷惑しているということです。こうしたカラスは、九州の各地に飛来しています。中には、車のワイパーを引きちぎるカラスもいて、被害が出ているということです。

■ワイパー引きちぎり続出…“針山”で独自対策

 車のボンネットに舞い降りたのは、1羽のカラス。早々に何かをついばみ始めました。

 カラスが乗っているのは、車のワイパー。ゴムの部分を20分にわたり一心不乱についばんだ末、引きちぎったゴムをそのまま投げ捨てました。

 動画が撮影された周辺では、カラスによってワイパーが引きちぎられる被害が相次いでいます。

 被害者:「ワイパーがちぎられてしまうので(買いに)行ったら、『いっぱいお客さん来てます』と言われてワイパーがなかった」

 近くのカー用品店では、例年より50本以上多くワイパーが売れ、一時品切れになりました。

 カラスからワイパーを守るため、住人は独自の対策を取っています。中には、カラスよけの針の山が付けられた車もあります。

 その賢さからか、人をもてあそぶように嫌がらせをするカラス。真冬の佐賀では異様な光景が見られました。

■フン被害 車の塗装剥げ…修理費用“20万円以上”

 佐賀市中心部の空を舞う大量のカラス。なんと、1万羽以上が市街地に集結していました。冬の佐賀市では連日、この光景が続くといい、住民たちは頭を悩ませます。

 サイクルショップ店主:「(Q.これは毎日?)毎日ですね。追っ払おうかなと思って出てきたんですけど」「(Q.普段どんな感じで追い払う?)大きい音を出す。いい気持ちはしない。ボタボタと音がするんですよ、フンが落ちてくる音が」

 さらに、カラスのフンは思わぬ被害ももたらしていました。

 車の所有者の男性:「フンが流れて塗装が剥げてしまうんですね。天板張り替えてもらうんだけどと(修理屋に)言ったら、最低20万はかかると。最低です」

 何度もフンを落とされた車は塗装が剥げてしまい、修理費用に20万円以上かかるといいます。

 大量飛来は、他の場所でも…。福岡では、100メートル以上にわたり、電線に止まるカラスの姿が見られました。

■ミヤマガラス 賢いリーダーで“一度も捕獲できず”

 この季節、九州各地の空を埋め尽くしているのは、大陸からやってきた渡り鳥「ミヤマガラス」です。

 佐賀市では、10年以上前から飛来が確認されていて、冬場、夕暮れになると、天敵のいない市街地に集結します。

 夜になると、カラスは寝静まり鳴き声はやみますが、夜が明けると…。夜明けとともに大音量で鳴き出し、餌(えさ)を求めて100羽以上の集団で飛び立っていきます。

 早朝、そして夕方も響く大音量の鳴き声。

 近所の人:「今は、もう気持ち悪いぐらい。この辺の人たちは、みんな困ってると思う」「渡り鳥で、たくさん来てますので、何とかしてほしいなと思いますけど」

 鳴き声やフンなど、住民からの苦情が相次ぎ、市は2014年から数を減らすべく、箱罠を設置しましたが、罠を設置して以来、一度もミヤマガラスを捕獲できたことはありません。

 佐賀市 環境政策課・中原邦貴係長:「ミヤマガラスが非常に賢くて、この罠で取れた実績がなくて」

 罠にかからない理由。それは、集団の動きが統率されているからだといいます。

 山本主任:「集団で群れを形成してリーダーのような統率をとっている役割がいるみたいで。そういった習性もあって、箱罠にはなかなか入らない」

 賢いリーダーの存在。ミヤマガラスを罠で捕獲して数を減らすことは難しいようです。

■秘策「だまくらカラス」導入で…半分ほど“減少”

 人とミヤマガラスによる攻防は、熊本でも繰り広げられています。

 4年ほど前から、市街地にすみ着いているカラス。多い時には、1万羽を超えていたといいます。

 熊本市は過去に、LEDライトなどを使っておよそ3000羽のカラスを撃退することに成功したものの、翌年にはカラスが戻ってきてしまいました。

 熊本市 鳥獣対策室・清野陽介室長:「カラスが賢いもので。人間がやっているということをすぐ見破ったりして、慣れとかも生じてきたものですから」

 カラスとの戦いに終止符を打つため、ある秘策を導入。それは「だまくらカラス」です。

 清野室長:「この柱につけているスピーカー」

 スピーカーから特殊なカラスの鳴き声を流したところ、木に隠れていたカラスの大群が一斉に逃げるようにして、どこかへ飛び去っていきました。

 このだまくらカラスを開発した宇都宮大学の塚原直樹教授。20年以上、カラスの鳴き声を研究しています。

 (株)CrowLab・塚原代表取締役:「警戒とか威嚇する時の鳴き声を複数組み合わせて使っています」「(Q.これはどういう音?)これはカラスが威嚇している時の鳴き声です」「これはカラスが警戒している時に発する鳴き声です」「自分の縄張りに別のカラスが侵入してきた時とか」

 現場の状況に合わせて鳴き声を組み合わせ、ここは危険な場所だと伝えることでカラスに危機感を与え、ねぐらを移動させる作戦です。

 熊本市は午後6時半からの2時間、市内4カ所のねぐらスポットで毎日音声を流した結果、カラスの数は半分ほどに減少したといいます。

 清野室長:「(今残っているカラスは)これまで続けてもまだいる。しぶといカラスたちになる。3月の中旬までやって効果のほどを確かめたいというところです」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年3月3日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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