“有毒ウニ”富山湾で大量発生 “長く鋭いトゲ”刺さると激痛 冬にはいないはずが…(2023年3月3日)
富山湾で、冬にはいないはずの有害なウニが大量発生していることが分かりました。海水温が高くなっていることが原因とみられ、今後さらに増える可能性も指摘されています。
■長く鋭いトゲ 刺さると…激しい痛み
富山県魚津市の港の水深数メートルの地点。ここで見つかったのが、主に南日本の海に生息するウニの仲間「ガンガゼ」と「アラサキガンガゼ」です。
一般的なウニと比べ、長く鋭いトゲが特徴で、そのトゲには毒が含まれています。
食用には適さないとされていて、これまでの調査では、冬は見つかったとしても1、2匹程度でした。
しかし、地元の水族館が先月行った潜水調査では、「アラサキガンガゼ」が50匹以上、「ガンガゼ」が6匹確認されたのです。
魚津水族館 飼育員・木村知晴さん:「非常に驚きました。トゲが非常に細くて鋭いので、ちょっと触っただけでもトゲが刺さってしまいます。危険な生き物だと言えると思います」
トゲは刺さると先端が折れて、体内に残り、激しい痛みを引き起こすといいます。
■“有毒ウニ”の越冬…大量発生に懸念
それにしても、なぜ今年は有毒ウニが大量発生しているのでしょうか?
木村さん:「あまり寒いのに強くなくて、今までは越冬できずに、冬場死んでしまっていたガンガゼ類なのですが。海水温の上昇などもありまして、今年は死なずに残っている」
水温が10℃以下になると死滅すると言われているガンガゼ類。しかし、今年は最も水温の下がる2月でも、11℃ほどだったということです。
有毒ウニがこのまま冬を越すことで、懸念されているのが、さらなる大量発生です。
水族館では、ガンガゼ類が今後、海水浴場などにも生息地を広げる恐れがあるとして、見つけても触らないよう注意を呼び掛けています。
■海藻が食べられると…「磯焼け」も
さらにもう一つ、問題があるといいます。
木村さん:「別名“海の砂漠化”とも言われまして、海藻類が育たずに、岩の表面がツルツルになってしまう」
海藻がガンガゼ類などに食べられてしまい、「磯焼け」の原因の一つになっているといいます。
漁業や釣りなどへの影響が懸念されています。
(「グッド!モーニング」2023年3月3日放送分より)
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