くしゃみで?病院“車突っ込み”死亡女性の夫「幸せ奪われた」 医師「可能性ある」(2023年3月2日)

くしゃみで?病院“車突っ込み”死亡女性の夫「幸せ奪われた」 医師「可能性ある」(2023年3月2日)

くしゃみで?病院“車突っ込み”死亡女性の夫「幸せ奪われた」 医師「可能性ある」(2023年3月2日)

 大阪市の病院に車が突っ込み、通行人の女性2人が亡くなった事故で、逮捕された運転手の男が「直前にくしゃみをして、気が遠くなった」と供述していることが分かりました。

■くしゃみで? 病院“車突っ込み”

 1日午後3時前、大阪市生野区「生野愛和病院」に車が突っ込み、歩いていた黒田シマ子さん(86)と口池邦子さん(75)が死亡しました。2人は見舞いのために病院を訪れていたそうです。亡くなった口池邦子さんの夫が、突然の妻の死から一夜、その思いを明かしました。

 亡くなった口池邦子さんの夫:「精一杯、頑張ってましたね。その日、1日1日、精一杯…。私も邦子も悔いを残さない人生を送りたいと思っていましたから、1日1日を真剣に生きていくという思いで活動していましたし、私もそういうつもりで働いていますから。そういう面では、お疲れ様かな、死ぬまで頑張ったんだから」

 家族思いだったという邦子さん。家のなかでは太陽のような存在だったといいます。

 亡くなった口池邦子さんの夫:「私には…もったいなすぎるくらいの妻でした」

 警察は、車を運転していた大阪市の71歳で無職の呉昌樹容疑者を過失運転致死の疑いで現行犯逮捕しました。呉容疑者は容疑を認めたうえで、こう話しているといいます。

 呉昌樹容疑者:「事故直前にくしゃみをして、一瞬だが気が遠くなった」

 くしゃみをして気が遠くなった…。意識障害を起こしていたのでしょうか。事故を通報した人は、事故後の呉容疑者の様子をこう話します。

 事故の通報者:「車が病院の壁に突っ込んでいます。まだアクセル踏んではりますって(通報で)言ったんですね」

 呉容疑者は、病院の壁にぶつかった後もアクセルを踏み続けていたというのです。警察によりますと、現場にブレーキ痕はなく、また呉容疑者からアルコールは検出されなかったといいます。事故は、呉容疑者が言うように「くしゃみをして気が遠のいた」ために起こったのでしょうか…。

■死亡女性の夫「幸せ奪われた」

 亡くなった口池邦子さんの夫「(Q.(容疑者に)意識があったのかなかったのか、そのあたりは)そういう兆候があった気がします。やっぱり免許証の自主返納とかね」

 もし、これまでにもくしゃみで気を失ったことがあり、その兆候があったとしたら運転をやめるなどの対応を取ってほしかったといいます。

 亡くなった口池邦子さんの夫:「孫も全部入れてね、家族全員13人、13人の幸せを奪ったんですよ。ひな祭りも子どもの卒業式もあるし、それを全部奪ってしまったわけですから、非常に残念ですね。1人の命を奪ったんじゃないということを十分認識してほしいと思います」

■数秒程度か 医師「可能性ある」

 供述の通り、くしゃみで気を失うことはあるのでしょうか。

 たかの循環器・内科クリニック、高野誠院長:「(花粉症の薬など)薬も何も飲んでいなくて持病もなくて、くしゃみだけで意識が遠のくというのは結構まれ。なかには、せきで気を失う人はいるが、せきをすることで心臓から押し出される血液の量が減ってしまい気を失うことは起こりえる。同じ状態がくしゃみで起こっていると考えれば、『気が遠のく』可能性はあるかもしれない」

 しかし、くしゃみで長い時間、気を失うことはほぼ無いといいます。

 たかの循環器・内科クリニック、高野誠院長:「くしゃみを連発することはなかなか無い。本当に数秒程度の一瞬、というのが一番考えやすい」

 過失運転致死で逮捕された呉容疑者。責任能力を問うことはできるのでしょうか。

 元検事・大澤孝征弁護士:「本人は『くしゃみして意識が分からなくなった』と言っているが、それは本当にそうなのかどうか、責任能力についての鑑定を行う、これは鑑定留置なり精神鑑定を行ったうえで、起訴・不起訴を決めるということもある」

 警察は事故当時の状況を詳しく調べるなどしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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