3700倍のレジオネラ菌 老舗旅館・社長が謝罪も…“根拠のない自信”“無責任な姿勢”(2023年3月1日)

3700倍のレジオネラ菌 老舗旅館・社長が謝罪も…“根拠のない自信”“無責任な姿勢”(2023年3月1日)

3700倍のレジオネラ菌 老舗旅館・社長が謝罪も…“根拠のない自信”“無責任な姿勢”(2023年3月1日)

 老舗旅館で、大浴場の湯の入れ替えを年2回しか行わず、基準値の3700倍のレジオネラ菌が検出されました。社長は謝罪会見で、「菌は大したことない」という趣旨の発言を15回繰り返し、認識の甘さが浮き彫りとなりました。

■消毒用塩素注入も行わず…県調査に“虚偽報告”

 大丸別荘・山田真社長:「レジオネラは、大した菌じゃないという先入観がありましたので。レジオネラに対して、危険性を全く認識していなかった」

 先月28日、謝罪会見を開いた「大丸別荘」の山田社長。繰り返したのは、レジオネラ属菌を軽視する発言でした。

 創業1865年。福岡県筑紫野市の老舗旅館・大丸別荘は、県が条例で「週に1回以上」と義務付けている、完全な湯の入れ替えを「年に2回」しか行っていませんでした。

 山田社長:「代表者としての私自身の法律の認識が甘く、レジオネラ属菌はどこにでもある一般細菌という安易な考えで。また、大浴場は掛け流しなので、かなりお湯が入れ替わっているから大丈夫と考えておりました」

 消毒用の塩素注入も、きちんと行われていませんでしたが、県の調査には虚偽の報告をしていたといいます。

 山田社長:「塩素を注入しなかったのは、塩素のにおいが自分の体質に合わず、嫌いだったという身勝手な理由」

 少なくとも2019年の12月以降続いていたというずさんな管理の結果、去年8月と11月に保健所が行った検査では、最大で基準値の3700倍ものレジオネラ属菌が検出されたのです。

 山田社長:「(Q.大浴場に社長自身つかる?)風呂に入るかということですか?それは、毎日2、3回入っている」「(Q.レジオネラ菌が出た時も?)もちろん、そうです」 「(Q.ちょっとおかしいなみたいな?)いや~全く、全くないです」

■“根拠のない自信”“無責任な姿勢”明らかに…

 山田社長の会見に対して、医師は、レジオネラ属菌を甘く見すぎていると指摘します。

 わたクリニック・古谷満医師:「やっぱり、認識が甘いとしか言いようがないかなと思う。レジオネラ属菌、主に肺炎というのを引き起こすんですけれども、一般の肺炎よりも重症化しやすいと言われています。 特に、リスクの高い方の場合、死亡率は30%に及ぶと言われてます」

 実際、去年3月、神戸市の温泉を利用した70代の男性が、レジオネラ属菌に感染し、死亡しています。山田社長は、このニュースを知っていたといいますが…。

 山田社長:「自分のところは、大丈夫と思い込んでました」

 番組が確認しただけでも、山田社長は、およそ1時間の会見で少なくとも15回は、レジオネラ属菌を軽視した発言を繰り返していました。

 山田社長:「仮に亡くなられた方がいても、コロナじゃないですけど、元々基礎疾患があるとか、たまたま、きっかけにというとあれなんでしょうけど、そんな捉え方をしてました」

 明らかとなったのは、“根拠のない自信”と“無責任な姿勢”です。

 山田社長:「(Q.利用者の健康は、どうでもいい?)そうですね。そう言われれば、そういうことになりますね」

■同業者は困惑「あり得ない」 風評被害を懸念

 一方で、多くの温浴施設では、レジオネラ属菌を出さないために、清潔な環境を保つ努力をしています。

 70年以上の歴史を誇る東京・上野の銭湯「寿湯」では、レジオネラ属菌対策として、毎日、営業前に3時間かけて入念な清掃を行うといいます。

 今回の大丸別荘の管理体制については、驚くとともに、風評被害を懸念しています。

 寿湯オーナー・長沼亮三さん:「洗わないっていうのが、特にびっくりしましたね。年2回は、ちょっとあり得ないなって」「(Q.こういうことがあると、イメージが悪くなったり?)きょうも、お客さんにうちのスタッフが聞かれたみたいで。清掃のこととかを聞かれたみたいで。(風評被害は)ちょっと困りますよね」

(「グッド!モーニング」2023年3月1日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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