【侵攻1年】ゼレンスキー大統領が涙こらえ会見 ロシアでも献花 当局が女性拘束(2023年2月25日)
ロシアの軍事侵攻から1年、記者会見したウクライナのゼレンスキー大統領は時折、涙をこらえながら国民に語り掛けました。そして世界各地で平和を願い、ウクライナへの連帯を示す一日となりました。
■侵攻1年 ゼレンスキー大統領が涙こらえ会見
強い言葉で人々を鼓舞してきた大統領。最後の質問に感極まりました。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「(Q.ロシアによる侵攻が親しい人々や家族との関係をどのように変えましたか?)難しい質問ですね…。私は妻と子どもたちを愛しています。子どもたちはとても大切ですが、あまり会えていません」
家族のことを問われ、珍しく言葉を詰まらせたゼレンスキー大統領。ロシアの侵攻から24日で1年。会見でロシアを強く非難しました。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「私たちの領土から出て行って下さい。攻撃をやめて下さい。民間人を殺すのをやめて下さい」
■ロシアでも献花 当局が女性を拘束
世界がウクライナカラーに染まり連帯を示すなか、当のロシアでも献花に訪れる人々の姿がありました。ただ、悼む人々にすら当局が目を光らせる状況です。献花に訪れた女性…警察が歩み寄ります。花を付き返し、献花に来た女性を警察が拘束しました。拘束され嘆く女性の表情がロシア国内の現状を物語ります。
■レオパルト2戦車 4両が到着
首都キーウでは、反転攻勢のカギを握る動きがありました。
ポーランド・モラヴィエツキ首相:「最初の4両のレオパルト2をポーランドから持ってきました。ロシアの侵略者を一刻も追い払うためです」
ドイツ製の戦車「レオパルト2」。時速70キロ近くの機動性を持つ、ウクライナが熱望した戦車です。ポーランドから届いた“世界最強”とも称される4両。軍事支援の戦車が届けられたのは初めてのことです。
ウクライナ、シュミハリ首相:「ウクライナを勝利に近付ける決定的な一歩を踏み出したことに感謝する」
とはいえ、いまだ出口の見えない戦局。ある国の存在感が増しています。
■停戦を呼び掛ける中国の狙いは?
中国・戴兵国連次席大使:「最優先するべきなのは、一刻も早く停戦を進めることです。紛争と戦争に勝者はいません。戦争が長引くほど、人々の苦しみは大きくなります」
停戦と対話を呼び掛けたのは“中国”です。ウクライナにとっては最大の貿易相手国でもあった中国。中国にとっても、ヨーロッパとの経済圏“一帯一路”構想において、カギとなる国です。ゼレンスキー大統領は時期こそ明言しなかったものの、習主席と会う予定があることを明らかにしました。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「私は習主席と会談する予定です。お互いのため、そして世界平和のためになると思います」
全く相反する情報も出てきました。
■ドローン100機 ロシアに提供報道も
ドイツ誌シュピーゲル:「中国のドローンメーカーがロシア側との協議を進めており、ドローン100機を製造して4月までに提供する方針だ」
ドイツ誌が報じた中国のロシアへの武器売却。中国政府は真っ向から否定しています。
中国外務省・汪文斌副報道局長:「紛争地域や交戦国への武器売却は一切行っていない」
ゼレンスキー大統領も強く釘を刺しています。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「中国がロシアに武器を供与しないことを強く信じたい」
ただ、この報道は中国側が仕掛けたアメリカに対する情報戦だとみる向きもあります。
笹川平和財団上席研究員・小原凡司氏:「アメリカが中国の偵察気球を撃墜するなど、強い姿勢を見せて対話の基調が一時途絶えた。アメリカが最も嫌がるロシアに対する軍事協力ということをシグナルとして情報を漏洩(ろうえい)させたのではないか」
ロシア寄りの姿勢を崩さず、停戦を呼び掛けた中国。本音は停戦に傾いているという見方もあります。
笹川平和財団上席研究員・小原凡司氏:「表向きはロシアを支持せざるを得ない。一方で、中国は本当はロシアを支持して国際社会から孤立するのは避けたい。アメリカ・ヨーロッパと歩調を合わせてウクライナ戦争を一時的に停戦させることが、今の国際社会のなかでのステータス(地位)を守るという意味で、重要なことだと考えたのだと思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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