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【侵攻から1年】最前線近く“死と隣り合わせの村”…故郷で生きる男性が語ったこと ウクライナ侵攻
侵攻から24日で1年を迎えたウクライナでは、ロシアによる大規模攻撃があるか、緊張が高まっています。激しい攻防が続く最前線近くの街に、ジャーナリストの佐藤和孝さんが入りました。砲撃音が鳴り響く“死と隣り合わせの村”で出会った男性が語ったことは…。
◇
ジャーナリストの佐藤和孝さんが取材したのは、自力では避難できない人々の救出を行う人道支援団体です。
佐藤和孝さん
「これから同行する、人道支援団体(の車)」
人道支援団体のスタッフたちは車両の前で「時間をかけないで、なるべく早く終わらせよう」と確認しあっていました。
向かったのは、前線に近いウクライナ東部のクピャンスク。攻撃の危険にさらされている町です。
町の住民
「毎日、一日2回くらい攻撃されている。こっちでは学校が壊され、あっちではインフラが破壊された」
高齢の女性が、家の中で避難を求めていました。
人道支援団体スタッフ
「横になったまま、車に乗りますか?」
女性
「はい…」
スタッフが女性を担架に乗せ車へ運びました。支援団体は、女性たちを前線から離れたハルキウに避難させるといいます。
◇
クピャンスク近郊の村でも救出が行われました。足が不自由な86歳のナタリアさんも、その1人。歩行器を持って、家の中で待っていました。
ナタリアさん(86)
「迎えに来てくれるとは思いませんでした」
ナタリアさんはスタッフに見守られながら、車へと歩行器を使って移動します。「あなたたちがいなかったら、どうなっていたことか…ここにチェチェン人(ロシア軍)が来たんですよ」と話しました。この村は去年9月まで、ロシアの占領下にありました。
車に乗ったナタリアさんに話を聞きました。
佐藤和孝さん
「今のお気持ちは?」
ナタリアさん(86)
「今は、とにかく生き延びるだけです…」
ナタリアさんが避難した翌日、ロシア側はこの村周辺の集落を“占領した”と主張しました。ぎりぎりの避難で、つながれる命…。
◇
一方、危険な中、故郷に残ることを選ぶ人々もいます。
佐藤和孝さん
「今、我々は“最前線”の村、チャシブヤールに入りました。もうほとんど、人っ子一人いないですね。行き交う車は、みんな軍用車両。民間の車両にはみんな、軍人が乗っています」
チャシブヤールは今、最も激しい戦闘が繰り広げられているバフムトまで約5キロの村です。そこには、ロシア軍の攻撃で破壊された建物が…。
佐藤和孝さん
「ここが村の一番後ろ、バフムトに一番近い場所。ここ、攻撃を受けている」
取材中も辺りに砲撃の音が鳴り響きます。この村には、ウクライナ軍が砲撃の陣地を築いていて、絶えずロシア軍への攻撃を仕掛けているのです。ロシア軍の標的ともなる、“死と隣り合わせの村”です。
侵攻前は、約1万2000人が暮らしていましたが、今はほとんどが避難しているといいます。村の中心部には、残った人々が人道支援物資を受け取るため集まっていました。その場にいた男性に尋ねました。
佐藤和孝さん
「ここはとても危険だが、なぜ避難しない?」
村に残る男性
「ここは私の故郷です」
男性は、砲撃音が鳴り響く故郷で生きることを選びました。侵攻開始から1年、ロシアがウクライナ東部で攻勢を強めていることについては…
村に残る男性
「どこの町でも、それ(攻撃)はあり得ます。どこに行けばいいって言うんですか?」
今も多くの罪なき市民が、死の恐怖と戦っています。
(2023年2月24日放送「news every.」より)
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