「帰らされることが怖くて」ベトナム人元技能実習生の赤ちゃん遺棄 最高裁で有罪見直しか 技能実習めぐる実態|TBS NEWS DIG
ベトナム人の技能実習生が、死産した赤ちゃんの遺体を遺棄した罪に問われた裁判は、最高裁で一審と二審の有罪判決が見直される可能性が出ています。事件の背景にもなった、妊娠した実習生が声を上げにくい現状を取材しました。
横断幕を掲げ最高裁に向かう弁護団。
技能実習生だった、ベトナム国籍のレー・ティ・トゥイ・リン被告(24)は2020年11月、熊本県芦北町の自宅で、死産した双子の赤ちゃんの遺体を遺棄した罪に問われています。
ベトナム人元技能実習生 リン被告
「自分の子どもを捨てることは考えませんでした」
リン被告は遺体をタオルで包み、赤ちゃんの名前と「天国で安らかに」と書いた手紙を添えて段ボール箱に入れ、自宅に置いていました。
一審と二審は執行猶予付きの有罪判決。しかし、最高裁が弁論を開いたことで見直される可能性もでてきています。きょうの弁論で弁護側は、改めて無罪を主張しました。
リン被告の弁護人
「段ボールをテープで止めて、我が子が寒くないようにした。棺のかわりにしたもので、遺体を隠したわけではない」
みかん農園で働いていたリン被告。職場には妊娠のことを相談できなかったといいます。
ベトナム人元技能実習生 リン被告
「妊娠した実習生が帰国させられたことも聞いていたので、ベトナムに帰らされることが怖くて」
法務省によりますと、2020年末までのおよそ3年間に、妊娠や出産を理由に技能実習が困難になった事例は、少なくとも637人に及んでいます。
技能実習生としてベトナムから去年来日し、食品加工の仕事をしているアインさん(仮名)もその1人です。来日中のベトナム人の夫との間に子どもを授かり、現在妊娠5か月目。生まれたらベトナム語で「さくら」と名付けるつもりです。
ベトナム人技能実習生 アインさん(仮名)
「とてもきれいで大好きな花なんです」
希望を胸に日本に来て働いていたアインさん。妊娠を知ると、産休と育休を取って日本で出産したいと、受け入れ機関に伝えました。
しかし。
ベトナム人技能実習生 アインさん(仮名)
「前例がないので、仕事を続けるのは難しいと言われました」
妊娠を伝えた途端、「今月末までしか働けない」と告げられ、退職届にサインするよう求められたといいます。
ベトナム人技能実習生 アインさん(仮名)
「床は滑りやすいし、重い荷物を運ぶ仕事だから、仕事を続けないことはあなたの体のためだよと言われました」
日本では妊娠を理由に女性を解雇したり不利益を強いることは違法で、これは外国人労働者であっても変わりません。
ベトナム人技能実習生 アインさん(仮名)
「日本に来るためにたくさんのお金をかけたのに、本当に悲しいです」
退職に追い込まれたアインさんは、ビザを継続できないか支援団体に相談しています。そして、妊娠しても仕事を続けられる環境を作ってほしいと訴えています。
ベトナム人技能実習生 アインさん(仮名)
「仕事の内容と時間を調整して働きたいです。私だけではなく、他の妊婦さんの仕事の環境も整えてもらいたいです」
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