価値が10倍超になった美術品も!ついに開館「大阪中之島美術館」紆余曲折の39年(2022年2月2日)

価値が10倍超になった美術品も!ついに開館「大阪中之島美術館」紆余曲折の39年(2022年2月2日)

価値が10倍超になった美術品も!ついに開館「大阪中之島美術館」紆余曲折の39年(2022年2月2日)

2月2日、「大阪中之島美術館」がオープンしました。1983年に構想が発表されて以来、大阪市の財政難などで計画が停滞し実現するのに約40年かかりました。

 2日にオープンした「大阪中之島美術館」は、イタリアの画家・モディリアーニや大阪出身の洋画家・佐伯祐三の絵画など、6000点を超えるコレクションを誇り、初日から大勢の人が訪れました。

 (来館者)
 「佐伯祐三さん(の絵)が良かったです。パリの風景が好きなので」
 「(建物は)真っ黒でモダンでシックで、すごく中之島の街に映えてきれいだと思いました」

 しかしこの美術館、オープンの日を迎えるまでには紆余曲折がありました。そもそも構想が持ち上がったのは39年前。大阪市が、日本を代表する美術館を作ろうとこれまでに総額155億円をかけて世界中の名画などを購入しました。

 ところがバブルの崩壊により市の財政が悪化。計画が頓挫し、美術品は倉庫に眠ったままとなったため「税金の無駄遣いでは」との批判の声も上がりました。それから25年。計画が大きく動きます。

 (大阪市 平松邦夫市長(当時) 2008年)
 「市民の理解を得ることができる近代美術館整備計画の策定に鋭意取り組んで参ります」

 平松邦夫市長の時代に、規模を縮小して美術館の着工を目指すことが決まりました。ところが…。

 (大阪市 橋下徹市長(当時) 2012年)
 「美術館といえども経営の視点が必要なんですね。単に絵を飾って『ハイ終わり』という、行政側の理屈でやるような仕事じゃなくてね」

 当時の橋下徹市長が計画の見直しを指示。市が美術館を建設し、運営は民間に任せるコンセッション方式を日本で初めて美術館に取り入れることで、ようやく開館にこぎつけることができました。

 大阪中之島美術館の菅谷富夫館長は、30年前から開館に向けた準備をしてきました。

 (大阪中之島美術館 菅谷富夫館長)
 「きょうやっとオープンして、これで美術館の1ページをやっとめくれた」

 倉庫に眠っていた名画たちはどうなったのでしょうか。モディリアーニの「髪をほどいた横たわる裸婦」を展示している場所へ案内してもらいました。

 (大阪中之島美術館 菅谷富夫館長)
 「30年前に購入した当時は19億3000万円で購入したということで、だいぶ話題にもなっています。(数年前に)モディリアーニの裸婦という作品がオークションに売りに出たんですけども、その時は約200億円を超える価格で落札されたと聞いています」

 今では購入時の10倍以上の価値があるといいます。さらに、ジャコメッティの「鼻」という作品の場所へも案内してもらいました。

 (大阪中之島美術館 菅谷富夫館長)
 「ジャコメッティという作家ですけども、購入時に1億数千万円で購入していますが(同じ作品が)最近のオークションに売りに出ていまして、予想価格として80億円という価格がついていましたので、40倍以上の評価がついている」

 美術館が所蔵する近現代の作家の作品は数が少なく、さらに近年の“世界的な金余り”による美術品の高騰などにより、今ではその評価額が大きく値上がりしているのです。

 (大阪中之島美術館 菅谷富夫館長)
 「今ではとてもじゃないですけども、うちとしても購入できない作品で、当時購入していて良かったなと。こういうものを所蔵できている美術館は世界でも本当に少ないですから良かったなと」

 ようやく日の目を見た名画たち。美術館のコレクションが一堂に会した開館記念展「超コレクション展」は3月21日までです。

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