トルコ大地震 呼びかけに“ノック2回” 108時間ぶり母娘生還…観光地で“地盤沈下”(2023年2月13日)

トルコ大地震 呼びかけに“ノック2回” 108時間ぶり母娘生還…観光地で“地盤沈下”(2023年2月13日)

トルコ大地震 呼びかけに“ノック2回” 108時間ぶり母娘生還…観光地で“地盤沈下”(2023年2月13日)

 トルコで地震が発生してから、1週間が経ちます。これまでに約3万4000人が亡くなったという情報があります。危険と隣り合わせの救助活動が続いているなかで、85歳の女性が6日ぶりにがれきのなかから助け出されました。

■139時間ぶり…生後7カ月の赤ちゃん救出

 6日間も、がれきの下敷きになっているのは85歳の女性です。

 隊員が声を掛けます。すると、女性は隊員の声掛けに応じ、頭を動かします。女性はその後、担架に乗せられ、救出されました。

 倒壊した建物を捜索する隊員。がれきの下からは、かすかに子どもの泣き声が聞こえます。

 泣き声に気付いた隊員らの手によって、無事に救出。辺りからは、歓声が起こります。

 救助隊員:「早く道を開けて!足元、気を付けて!後ろに下がって!ゆっくり!」

 助け出されたのは、生後7カ月の赤ちゃん。地震発生からおよそ139時間ぶりの救出です。

■救出作業中…がれき崩落 捜索隊員“生き埋め”

 トルコの隣国・シリアのアレッポでも、幼い命が救われました。

 隊員が声を頼りに、慎重にがれきをかき分けます。すると、赤ちゃんの上にいるのは、姉だといいます。赤ちゃんは無事に救出されましたが、がれきから守るように覆いかぶさった姉は、すでに亡くなっていました。

 救助活動は、二次被害の危険とも隣り合わせです。

 トルコ南部のハタイ県。がれきをかき分け、生存者を救出していた隊員。すると、がれきが崩れ、隊員が下敷きになりました。

 隊員:「落ちて来たぞ!危ない!!」

 がれきの山が、突如崩落。作業中の隊員を襲います。気付いた隊員らは、急いで逃げますが、がれきの下で作業していた隊員は下敷きになります。

 隊員:「もう安心ですよ」

 その後、下敷きになった隊員は助け出され、幸いにも大きなけがはありませんでした。

■108時間ぶり…母娘 呼び掛けに“ノック2回”

 隊員:「頑張れ!ゆっくり!ゆっくり!」

 隊員に抱えられ、がれきの中から救出されたのは、10歳の女の子。

 隊員:「足を持って下さい」

 救出されたのは、地震発生からおよそ147時間後。女の子は6日間、がれきの中で耐え抜きました。

 震源地に近いトルコ・アンタクヤでは、倒壊した建物に向かって、隊員が呼び掛け、生存者を確認します。がれきの下にいる人に、隊員が呼び掛けます。

 隊員:「私の声が聞こえたら、2回ノックして下さい!」

 すると、がれきの下にいる人に呼び掛ける隊員。

 隊員:「2回ノック音がした」「あなたのいる場所に、向かいます!あと2回、強くノックして下さい」「ストレッチャーを支えて!」「ゆっくり、毛布を引っ張って!」

 がれきの中から、次々と生存者が運び出されます。およそ3時間に及んだ救出活動で、奇跡的に家族4人が助け出されました。

 隊員:「やっとだ!もう拍手していいぞ!」

 地震発生から108時間を超えての救出劇でした。

■がれきの下…“36時間”妹を守り続けた姉

 シリアでは、がれきに挟まれた状態で救助を待つ少女がいました。よく見ると、少女の腕の中には、かばうように抱えた幼い妹の姿があります。

 救助隊員:「何が欲しい?」
 少女:「助けてほしい。それだけ」
 救助隊員:「出してあげるよ」
 少女:「何でもします。あなたの召使になりますから」

 幼い姉妹は、毛布にくるまれ無事救出。姉は36時間にわたり、隣に横たわる妹の顔を覆って粉塵から守り続けました。

 救出された人の中には、こんな子どももいました。

 歓声とともに、がれきの中から救出された男の子。隊員が男の子の頬にキスをすると、男の子は笑顔で隊員の顔をたたく素振りを見せます。

 男の子の元気な姿を見た隊員らは、笑顔で無事を喜びます。

■死者3万人超…深さ30m“巨大な亀裂”も

 次々と助け出される被災者たち。しかし、助けられなかった命もあります。

 遺体安置所となっている体育館。家族や知り合いを探す人々が絶えません。

 死者は日を追うごとに増え、トルコとシリアで合わせて3万4000人を超えました。東日本大震災の関連死を含む、死者・行方不明者の数をすでに上回っています。

 地震で大きな被害を受けたトルコ南部ハタイ県のオリーブ畑の映像。畑は二つに分かれ、崖のようになっています。

 畑の断面からは、はっきりと地層が見て取れ、亀裂の間には、岩のような塊が、無数に割れて転がっています。

 大地震によってできた亀裂は幅200メートル、深さは30メートルに及んでいます。

■地盤沈下で沈む観光地…“道路も冠水”

 水をかき分け、進車水をかき分けて進む車。トルコ南部、沿岸の町は水に覆われました。

 雨は全く降っていないにもかかわらず、道路が冠水。水位が1メートルほど上がり、車が水没しています。

 震源地からおよそ100キロ離れていますが、地震後、地盤沈下により町全体が沈み、海水が流れ込んだのです。

 普段は、地中海を望む観光地が一変。海水と土砂に覆われました。

■進まない救助作業…物資なく“怒りの声”

 寒さも、被災者を襲っています。

 がれきの中、燃えるものを探す人々。屋根もない道路脇で、焚火を囲みます。

 家を失った人たちが集まって生活しています。まだ、この場所には、救援物資は全く届いていないということです。

 夜はマイナス10℃以下になるこの地域で、ほとんど吹きさらしの状態に。

 被災者:「トイレが使えないし、シャワーもない。テントもないし、寒いのに外にいる」

 毛布をつなぎ合わせて、寒さをしのぎます。

 シリアでは届かない支援に、住民たちが「1時間ごとに、50人が死んでいる」というメッセージを掲げ、カメラに訴えていました。

 住民:「海外からは何の援助も、重機も入ってこない。トルコとの国境は開いているのに、なぜ我々は封鎖されているのか。国際社会は、どこにいるんだ」

 トルコでは、被災者の怒りが政府へと向き始めています。

 女性:「命が埋まっているのです。待っていても、何も対応されません。お願い、助けて下さい。大統領に呼び掛けています。援助はどこですか、ここには誰もいません」

 被災地を視察したエルドアン大統領は、初動対応の不備を認めました。

 エルドアン大統領:「不備があったのは確かです。ただ、このような大災害に対して、完全に準備することは不可能です」

 厳しい寒さが続き、必要な物資もない被災地。過酷な状況は、今も続いています。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年2月13日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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