「エクモ」未使用の一方で重症病床“満床” 対応に苦慮する医療現場(2022年2月1日)

「エクモ」未使用の一方で重症病床“満床” 対応に苦慮する医療現場(2022年2月1日)

「エクモ」未使用の一方で重症病床“満床” 対応に苦慮する医療現場(2022年2月1日)

 病床使用率が東京都では緊急事態宣言の要請を検討する目安である50%に1日、達しました。重症病床がほぼ満床となっている都内の大学病院を取材すると第5波との違いが見えてきました。

 綱引きは、依然続いています。

 東京都・小池百合子知事:「今回の重点措置でオミクロン株に対抗していく」

 緊急事態宣言の発出基準を、基本的対処方針に盛り込むことを求める小池知事。山際大臣は、こう反論しています。

 山際新型コロナ担当大臣:「基本的対処方針は『基本的にどう対処するか』を明記するものだから基本なんですね。なぜそれを基本にしているかといえば、各自治体・各地域において状況が当然変わるので柔軟に対応できるようにしておかないと適切な対応にならない」

 これまでと同じ対策には疑問が投げかけられています。

 政府分科会・尾身茂会長:「飲食店だけの対策では効果がないことは専門家はそう思っている」

 飲食業界からも強い苦言が投げかけられました。

 ワタミ・渡辺美樹会長:「第5波までの対策の効果検証もなく、まん延防止等重点措置を繰り返すことに明確に反対と申し上げたい」

 尾身会長は、発出の基準としてこんな要件も挙げています。

 政府分科会・尾身茂会長:「ECMOの使用をはじめ入院者の重篤度も考慮して総合的に判断する必要があると思います」

 人工肺装置「ECMO」。去年夏から多くの医療現場で使われ注目を集めました。ただ状況は変わってきたようです。

 藤田医科大学病院・岩田充永副院長:「第5波では最大5人同時にECMOという人がいたが、第6波では一人もいない」

 愛知県にある藤田医科大学病院。去年9月にECMOカーを導入しましたが、まだ一度も出動していません。

 こちらの病院だけではなく去年9月、全国で160件を超えた実施件数は、第6波では先月31日現在で6件、東京都ではゼロとなっています。

 藤田医科大学病院・岩田充永副院長:「コロナ特有の肺炎像で重症化し、呼吸不全でECMO人工呼吸器が必要な人は激減した。持病の悪化でコロナでは軽症だけれども、その人の状態としては入院が必要な人が激増した」

 一方で、重症病床がほぼ満床となっている現場もあります。都内にある重症者を受け入れる病院です。12床ある重症者用ベッドは11床が埋まっています。

 順天堂大学大学院医学研究科・堀賢教授:「一日のうち数人が入り、数人が出ていくのがずっと続くという状況。スタッフも24時間交代制で働いているが、かなり疲労の色が濃くなってきている」

 第5波までとの違いも見えています。

 順天堂大学大学院医学研究科・堀賢教授:「コロナそのもので重症化しているというより、基礎疾患が悪化して重症化している人が多い。重症患者を増やさないようにするのが安全安心に暮らせる環境を作ることになる」

 都が発表するデータでは、まだ9割以上余裕があるはずの重症病床。この差は一体何なのでしょうか。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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