【ロシア大規模攻撃】激戦地で攻勢“兵力倍増か”ウクライナの反撃は◆日曜スクープ◆(2023年2月12日)

【ロシア大規模攻撃】激戦地で攻勢“兵力倍増か”ウクライナの反撃は◆日曜スクープ◆(2023年2月12日)

【ロシア大規模攻撃】激戦地で攻勢“兵力倍増か”ウクライナの反撃は◆日曜スクープ◆(2023年2月12日)

 ロシアはエネルギーなどの主要インフラ施設を標的に大規模な攻撃を仕掛けた。ゼレンスキー大統領の欧州訪問に対する抗議と牽制と見られる。10日、ロシア軍によるミサイル攻撃がウクライナ各地で多発した。ウクライナ軍のザルジニー総司令官は、ロシア軍が黒海の艦艇から発射した巡航ミサイル「カリブル」2発が、モルドバとNATO、北大西洋条約機構加盟国であるルーマニアの領空を通過し、ウクライナ西部上空に入ったことを明らかにした。ルーマニア国防省は事実関係を確認できないとしたが、モルドバは領空通過を確認した。また、同総司令官は、9日夜から10日にかけて、ロシアが防空ミサイル「S-300」など106発を、ウクライナ・ハルキウ、ザポリージャなどに向けて発射したことも発表した。

 現地英字メディア「キーウ・ポスト」によると、ロシアは大規模攻撃を展開するために、ウクライナとその周辺に50万人の兵士を集結させたとの情報も。昨年2月の侵攻開始時を大幅に上回る規模となる。ロシア軍は当時、首都キーウ、東部、また、南部と兵力分散による多方面で展開、失敗に終わったことから、今回は東部に集中して兵力を投入するとの見方が有力視される。

 ニュースサイト「ウクラインスカヤ・プラウダ」は9日、ロシア軍は戦車1800台と装甲車両3950台、戦闘機400機などを待機させ、戦闘に備えていると報じた。ウクライナがロシアからの奪還を宣言した東部ドネツク州の要衝リマンは、ロシアによる大規模攻撃の標的の一つとされている。ロシア軍は、要衝リマンの奪還を図ることで、イジューム、スロビャンスクへと勢力を拡大し、ロシアの拠点化を目指すものと見られる。欧米による供与予定の主力戦車がウクライナに到着する前に、作戦展開を急ぐ可能性が指摘される。

 ウクライナは、ロシア大規模攻撃に備えて対応に追われる。国営通信社「ウクル・インフォルム通信」によると、長期化する侵攻で兵力不足が顕在化する中で、ウクライナ内務省は「国家警察隊」、「国家国境警備隊」の一部である「突撃旅団」に入隊する志願者の公募を開始した。募集初日の4日、527人が申請書を政府に提出した。一方、欧米からウクライナに対する独製戦車「レオパルト2」の供与に加えて、同車の1世代前の主力戦車だった「レオパルト1」の追加供与が決定した。ドイツ、デンマーク、オランダの3国が、ウクライナに対して178台を送ることになる。ドイツ・ハベック副首相は、3月までにウクライナが2桁の数の「レオパルト1」を自由に使えるようになる見込みだとした上で、「ロシアの春の攻勢を撃退する大規模な数となる」と語った。

 米シンクタンク・戦争研究所によると、ドネツク州ブフレダルで活動中のロシア軍の「海軍歩兵旅団」2部隊が激しい損失を受けた。同旅団の人員に対する戦闘指揮ではなく、訓練不足が戦術的失敗を招いたものと分析している。ロシア軍は保有する戦車の半数を失うなど、苦戦する側面も。オランダの調査団体「Oryx(オリックス)」の集計を報じた米CNNによると、ロシア軍は侵略開始時点で運用可能だった戦車約3千台のうち、約1700台を喪失した可能性があるという。ロシア軍の戦車の損害は、破壊1008台、損傷79台、放棄87台、ウクライナ軍による鹵獲が546台に達する。ロシアはウクライナ戦争の開始以降、運用可能な戦車の半数を失った可能性がある。ウクライナ、ロシア両軍にとって、今後の戦闘は戦車が重要な鍵となる。欧米によるウクライナへの主力戦車の供与が決定しているが、戦地への到着時期などの詳細は判明していない。米戦争研究所の調査データを基礎に最新戦況を詳報・解説する。

★ゲスト:高橋杉雄(防衛省防衛研究所)、廣瀬陽子(慶応大学教授)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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