「アサド政権に国境通過の許可求める」“支援遅れ”深刻…トルコ大地震 死者2万人超(2023年2月10日)

「アサド政権に国境通過の許可求める」“支援遅れ”深刻…トルコ大地震 死者2万人超(2023年2月10日)

「アサド政権に国境通過の許可求める」“支援遅れ”深刻…トルコ大地震 死者2万人超(2023年2月10日)

トルコとシリアを襲った大地震は、死者が2万人を超えました。

地震発生から5日目。17歳の少年が94時間を生き延びました。
救出された少年:「トイレで、自分の尿を飲んで生き延びました。来てくれたんだ。ありがとう」

救出活動は、朝から日が暮れても続きます。人手は常に足りていません。

がれきの山と化した被災地で生きていくための支援が行きわたるには、まだまだ時間がかかります。

夜はマイナス10度ほどにもなるカフラマンマラシュでは、家を失った人たちが、ほとんど吹きさらしの状態。テントもないので毛布をつなぎ合わせた中に入って、寒さをしのぎます。
被災者:「ゆっくり寝られる場所がないです。ほかに何を言えば…」

今回の大地震で、何も失っていないという人はほとんどいません。それはシリアも同じです。アルワカーさんは、家も、大事な家族も失いました。
アルワカーさん:「戦闘機やロケット砲の攻撃“たる爆弾”の投下には慣れています。だけど、こんな地震は初めての経験でした」

アサド政権と対立する反体制派の支配地域では、地震で崩壊したダムから水があふれ、広い範囲で冠水しています。それでも届かない支援に、生き残った人々の気持ちは、限界まで追い詰められていました。
被災者:「海外から何の援助も、重機も入ってこない。トルコとの国境は開いているのに、なぜ、我々は封鎖されているのか。国際社会はどこにいるんだ」

ようやく国連のトラック6台が、反体制派の支配地域、北西部に入りました。震災前から届けようとしていたテントや衛生用品です。通ったのは、トルコとシリアを結ぶバブアルハワ国境検問所。シリア政府軍の支配地域を通過せずに、反体制派の支配地域に物資を輸送できる唯一のルートですが、地震の影響で、そこに至るまでの道路が使えなくなっていました。

政府側と反政府側、どちらを支持するかということと、被災者の命。本来、天秤にかけられるものではありませんが、シリアへの支援は、アサド政権を支持する国に限られているのが現状です。
国連・グテーレス事務総長:「全被災地に支援と人員を送るため、あるあらゆる手段を模索するときです。人命を優先しなくてはなりません」

アメリカは、トルコとシリアに対し、110億円規模の緊急人道支援を提供すると明らかにしました。アサド政権を支持していないなかで、一歩、前進した形ですが、きちんと行きわたるかは、不透明です。
アメリカ国務省・プライス報道官:「アサド政権に対し、人道支援がすべてのシリア人に届くように国境通過の許可を求めます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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