北朝鮮 “新型ミサイル”披露?…金総書記の娘“頬タッチ”の狙い「後継者と宣言か」(2023年2月10日)

北朝鮮 “新型ミサイル”披露?…金総書記の娘“頬タッチ”の狙い「後継者と宣言か」(2023年2月10日)

北朝鮮 “新型ミサイル”披露?…金総書記の娘“頬タッチ”の狙い「後継者と宣言か」(2023年2月10日)

 8日、北朝鮮は軍事パレードを行い、新型とみられるミサイルを披露した。その軍事パレードには、金正恩総書記の娘・ジュエ氏も参加。金総書記の頬に触れ、談笑する動画も公開された。

■専門家「『火星17』は実戦配備が終わっている」

 北朝鮮は8日、首都・平壌で、朝鮮人民軍創建75年を記念する軍事パレードを行った。

 その映像を軍事の専門家に見てもらった。すると、専門家は“あるミサイル”に注目した。

 元海上自衛隊司令官・香田洋二氏:「これは(公開した)数や、今までの試験発射の回数も考えますと、この『火星17』については、実戦配備が終わっている」

 元海上自衛隊司令官の香田氏がこう分析するのは、10基を超える数が並べられた、大陸間弾道ミサイル「火星17」。射程は、およそ1万5000キロメートル。アメリカ全土を圏内に収めると推定される、液体燃料エンジンのミサイルだ。

 香田氏:「当座のアメリカに対する戦略核の抑止体制は、北(朝鮮)の計算としてはできていると言える」

 ここで得た自信が、新たなミサイルの開発につながっていると香田氏は指摘する。

■“新型”ミサイル? 専門家「次は実発射か」

 そして、最大の注目は、新たなICBM(大陸間弾道ミサイル)だ。

 香田氏:「これが今回、世界中の注目を引いている。固体燃料を使った新型のICBM(と思われる)。特徴は『火星17』に比べて、非常にスリム化している」

 液体燃料と違って固形燃料エンジンは、直前に燃料を注入する必要がなく、素早く発射することが可能。今回、パレードで公開した意味について、香田氏は、次のように話す。

 香田氏:「次にくるのは、やはり実発射。試験発射ということ。パレードで出てくるということは、近い将来、一番早ければ、この春先に起こり得ると考えていい」

■娘が“頬タッチ”…専門家「後継者を宣言した」

 そして、軍事パレードには、金総書記も出席。演説することはなかったが、注目すべき人物と共に登場した。

 それが、金総書記の娘・ジュエ氏だ。

 去年11月、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル「火星17」の発射実験を行った際に、初めて姿を見せたのを皮切りに、「火星17」開発者らとの記念撮影。パレードに先駆けて行われた、軍創建75年の祝賀パーティーにも出席した。

 そのパーティーに出席したジュエ氏を北朝鮮メディアは、通常、最高指導者にしか使わない「尊敬するお子様」と表現している。

 そして、9日の軍事パレードでは、初めて動画が公開された。

 急速に存在感を増すジュエ氏について、北朝鮮情勢に詳しい毎日新聞編集委員の鈴木琢磨氏は、次のように話す。

 鈴木氏:「ずばり、後継者にするということを国内外に宣言したも同然だと思う。金正恩総書記も、幼いころから軍部隊を視察するなど、こういう形で事実上の後継者として、帝王学を学ぶ教育を受けてきた」

 時折、ジュエ氏が金総書記の頬に触れる姿が収められた映像についても、狙いがあると鈴木氏は指摘する。

 鈴木氏:「父娘の絆が深いというところを見せることは、極めて重要なことで。わざと、あのようなスキンシップをやっていると。そのことによって、国家が未来永劫(みらいえいごう)、少なくとも4代目世襲までは行くんだと。彼らは『永遠に自分たちの祖国は安泰』だということをアピールしたいわけです」

 しかし、このジュエ氏の存在感が強まることは、周辺諸国にとっては危険なことだと鈴木氏は言う。

 鈴木氏:「娘の後継者教育として、次なる軍事的リーダーの教育としても、軍事実験というものを使ってくる。その分、非常に危険な軍事挑発が増えるだろうという予測をしている」

(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年2月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事